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大阪狭山市立北小学校 前校長 伯井正美
1 はじめに
昨年度、1年生に食物アレルギーを持つ (緊急時に備えてアドレナリンの自己注射薬
であるエピペンを処方されている) 児童が入学した。本校では、保護者との面談を重ね ながら、緊急時の対応マニュアルの作成や給食時の安全確保・教職員の共通理解など に取り組んできた。その取り組みの一端を紹介することにより、学校現場でのアレルギ ー疾患対応の参考にしていただけるものと考える。
2 学校としての対応
1)食物アレルギーの児童をしっかり把握する
@保護者との面談(管理職・養護教諭・保健主事・学年担任)
A食物アレルギーに関する調査票(保護者記入用)
『食物アレルギーによるアナフィラキシー学校対応マニュアル』
B主治医の診断書・受診報告書
C学校生活管理指導表 『学校のアレルギー疾患に対する取り組みガイドライン』
2)教職員全員の共通理解を図る
@緊急時対応マニュアルの作成・エピペンの保管方法の確認等
Aアレルギー疾患・エピペンについての研修会(全職員対象・市内の教職員等)
3)給食での対応を検討する
@他の児童への説明(保護者からの手紙)
A保護者の協力(給食と同じメニューのお弁当・給食時の付き添い等)
B昨年度9月からの学校給食食物アレルギー除去食対応開始に向けて
食物アレルギー調査票配布 → 保護者との面談(学校給食G・管理職・担任他)
→ アレルギー対応食依頼書・診断書の提出 → 5種類・9品目で実施
4)関係諸機関との連携
@消防署との連携(緊急搬送先や対応の確認)
A学校給食グループ・教育委員会・他の学校園との連携
B主治医・学校医との連携
CNPO法人アレルギーを考える母の会との連携
Dテレビのニュース番組の取材
3 まとめ
学校における食物アレルギー対応で大切なことは、アレルギーを有する児童・生徒を
正確に把握することである。保護者や医師等からの正確な情報の把握に努め、その後 把握した情報をもとに適切な対応を決定する。また、把握した情報は適正に管理し、緊 急時に教職員の誰が発見者になった場合でも適切な対応がとれるように、教職員全員 が情報を共有し、常に準備をしておく必要がある。
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