2001年雪の立山黒部アルペンルート簡易旅行記・2日目

4月23日


 朝起きると,快晴! 寮の窓からは立山連峰の頂上まではっきりと見える.早いこと行かないと...

 立山駅まで快適なドライブ,立山駅前の無料駐車場に車を停めていよいよアルペンルートへ.

 ケーブル立山駅には人,人,人,特に団体ツアーのおばちゃんの集団.みんなケーブルの乗車整理券を持って待っている.はたして何時間待ちか???

 とりあえず切符売り場へ行き,K口くんは室堂往復切符,私は扇沢までの片道切符を購入した.ケーブルの乗車整理券も発行してくれ,5分後に発車のケーブルも乗車可能とのことでそれにしてもらった.どうやら待たされているのは団体客で個人客は優先的に乗せてくれるようだ.(個人客はほとんどいない)

 約10分で美女平到着,すぐに室堂行きの高原バスに乗り換える.個人客は団体客とは別のバスに乗るので比較的空いている.しばらくして落差日本一の滝・称名滝が車窓から見え徐行サービスをしてくれる.滝は凍っているように見え,雪解けシーズンのみに現れる幻の滝・ハンノキ滝はまだ流れていなかった.

雪の大谷ウォーク
▲雪の大谷ウォーク
 バスは徐々に高度を上げ,道の両端は高さ2〜3メートルの雪壁の中を行く.弥陀ヶ原を過ぎると雪壁の高さは5メートルを超える.しかし圧巻はやはり天狗平から室堂までの

雪の大谷

雪壁の高さは15メートル

は超える.アルペンルート開通直後でこの雪の大谷を歩けるということで,バス道にはたくさんの観光客がウォーキングしている.大谷を抜けると終点室堂バスターミナルに到着する.

 まずお目当ての雪の大谷ウォークに行くのではなく,この晴れていて山々が全て見えるうちに立山連峰・剱岳・奥大日岳の眺めを満喫しようと,ターミナル屋上から室堂平へ出る.

まぶしい!

一面の銀世界でサングラスが無いと目を開けることができない.目を慣れさせるのに相当時間がかかった.一通り景色を堪能した後,お目当ての雪の大谷へ行くことに.再びターミナル建物に入るが今度は,

暗くて何も見えない!

また目を慣れさせるのに時間がかかった.

 雪の大谷は,地面の雪が無く舗装されているため歩きやすく,また気温はマイナス1℃であるものの太陽が照っているため暖かい.

 さて雪壁には指で彫って書いたと思われる落書きが多数あったのでそれほど雪が柔らかいのか,

パンチを入れてみたが,硬い!いててて...

凍り付いていてとても落書きを書ける状態では無い.しかしそこは日陰になっているところであった.日の当たっている雪壁を触ってみると確かに柔らかく落書きができそうだ.

 よく見ると雪の大谷の壁の上に人が2〜3人いるではないか.大きなカメラを持っているためテレビ局の人が特別に許可をもらっているようだが,

一度あそこに立ってみたい!

 雪の大谷入り口付近の雪壁には,

雪の壁カレンダー<タイムマーク>

と書いた看板とともに,何月何日にどこまで積もっていたかわかるようになっている.まぬけなことに,壁下方から3分の1くらいのところに,

ここから上は21世紀の雪ここから下は20世紀の雪

と書かれていた.ちなみに今年の雪壁の高さは16メートルである.雪の多い年には20メートルを超えることもあるそうだ.

 雪の大谷の最後のところは広場みたいになっており,奥大日岳や剱岳が室堂より奇麗に見える.そこで景色の写真を撮っていると誰かが,

「そこに雷鳥がいる!」

と叫んだ.そぉ〜っと覗いてみると,わずか2〜3メートル先に真っ白な雷鳥がいるではないか.
雷鳥と立山連峰
ライチョウくん
▲白羽のライチョウくん

私は何度か雷鳥を見たことはあるが,白い雷鳥は初めてなので興奮した.こんな晴天の日にこんな近くで見れてラッキーである.最初は我々数人で雷鳥を眺めていたがだんだんとおばちゃん連中がやってきて覗くので,雷鳥くんは徐々に遠くの方へ離れていった.おばちゃん連中が騒ぎ立ててしばらくしたその時,

雷鳥が飛んで山の上の方へ行ってしまった.

これには私は驚いた.ライチョウはニワトリ同様飛べない鳥だと思い込んでいたので,...

 来た道を引き返し再び室堂ターミナルへ戻る.ちょうどバスターミナル前の広場では,

ロータリー除雪車「立山熊太郎」

による除雪実演が行われていた.除雪というよりは雪を投げ散らかしているといった感じだ.

 さてちょうど昼食時間になったのでホテル立山のレストランで食べようとすると,

長蛇の列,列,列

50人くらいは並んでいようかという大盛況だったのでホテル立山のレストランは諦め,隣の喫茶店「りんどう」に入ることに.こちらは比較的空いており待ち人数も2〜3人だった.メニューを見てビックリ,食事として成り立ちそうなものは,

1400円もする特製立山牛カレーライス

くらいしかないではないか.他にはピラフ1300円,ホットケーキ等しかないため,特製かどうかわからないカレーライスにすることに.立山牛ってそんなに有名なの?

 カレーライスはお腹が空いているためかもしれないが,おいしくあっという間になくなってしまった.ちょっともの足りたいがケーキやコーヒーをここで頼むと軽く1000円を越えるので,注文はしなかった.

 食後再び室堂平へ出てみくりが池温泉を目指す.まぶし〜 K口くんの足の状態がさらに悪化しているようで,ゆっくりゆっくり歩く.みくりが池は深い雪に覆われていてどこに池があるかはっきりわからない.なぜみくりが池温泉を目指しているかというと,そこの喫茶店「喫茶みくり」オリジナルの

手作りレアチーズケーキ

を食べたかったから.しかし〜,みくりが池温泉の前に来てみると人の気配も無くひっそりとしている,まさかまだ営業開始していないのか? と思ったが,営業していた.室堂を離れてここまで来ると団体のおばちゃん連中はいなくてひっそりしている.さっそく♪チーズケーキ♪をオーダーする.あっさりした味でうまい! こんなところでケーキをのんびり食べるとは最高の幸せではなかろうか!!

 再び室堂平へ戻りのんびりした後,いい時間帯になってきたので,K口くんは,立山方面へ私は黒部湖方面へと向かうべく別れた.

大観峰からの眺め
▲大観峰からの眺め
 トロリーバスで大観峰到着.大観峰駅は氷のトンネルとなっていた.大観峰からは後立山連峰がはっきりと見え,眼下には黒部湖および黒部ダムが見えるが,黒部湖は濁っていて汚い.

 ロープウェイの待ち時間,立山黒部貫光のおっちゃんがまたおもしろおかしくしゃべっている.そして最後には「ここ大観峰でしか売っていない写真集です」といって売ろうとするが,今度はだまされないぞ(1999年秋のアルペンルート訪問時には騙されて買ってしまった).しかしやっぱり団体客のおばちゃんは騙されて買ってしまっている.

 ロープウェイへ乗り黒部平へ.山の斜面にはスキーを楽しむ人がいるが,リフトも何もないところでよくやるなと感心する.

黒部平から見た立山連峰,大観峰
▲黒部平から見た立山連峰,大観峰
 黒部平からも後立山連峰が間近に見え,また立山連峰も裏側から見ることができる.ここで比較的多くの時間を費やしさらに売店で売っていたソフトクリームの誘惑に負けた.しかし今日はよく食うなあ〜 ここ黒部平の売店には,さっき大観峰でしか売っていないと言っていた写真集が売っているではないか.やっぱり...

 今度はケーブルに乗り黒部湖へ.黒部湖は大部分凍っており,また水量は非常に少ない.もちろんダムの放水なんぞ行えるはずは無い.しかしきっちりダム展望台に登ってしまう私

 今度はトロリーバスで後立山連峰を一気に突き抜け扇沢へ.ここでも売店で売っていた肉まんの誘惑に負けた.しかし今日はよく食うなあ〜 

 路線バスで信濃大町駅へ出て,大糸線で松本へ向かう.信濃大町から松本までわずかと思っていたのに1時間もかかった.午後7時に松本へ着いたときはくたくたであった.適当にホテルを探して今夜の宿が決まった.


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