アンの青春の明日が輝く言葉−最終回                 松本侑子ホームページ

 愛とは、美しい友情から自然に花ひらいてゆくのだろう。金色のしべを持つ薔薇の花が、青いつぼみからすべり出ていくように。

『アンの青春』第30章

 若いころは、天にも昇るような胸ときめく恋こそが、本当の恋愛だと、思っていました。
 けれど今は、真実のロマンスは、熱情のほとぼりのあとに時間をかけて静かにはぐくまれ、自然にひらいていく花のようなものだと想います。それは大地に根をはった確かなもので、恋心といっしょに、篤(あつ)い友情も流れているのです。

 その花の色は、ほかの人には見えないかもしれません。
 でも、愛しあう二人の胸には、甘くみずみずしく咲いているのが、おりにふれて感じとれる。そんな本物の愛の花を、あなたの胸に咲かせてください。
 18歳になったアンは、少女時代をすぎて若い女性となり、ギルバートとの愛を予感しながら、カナダ本土の大都会へと旅立っていきます。


 今日の言葉とコラムは、単行本『アンの青春の明日が輝く言葉』(松本侑子著、ディスカバー21発行、1200円)に掲載しています。


 さて、2002年5月より始めたメールマガジン『アンの青春の明日が輝く言葉』は、今回をもって終了いたします。長い間ご愛読いただき、本当にありがとうございました。

 このメルマガは、私の訳した『アンの青春』(集英社、2000円)より、未来に希望がわいてくるような文章を選び出し、お届けしました。発行に際しましては、スズキメディアの鈴木康之氏に大変にお世話になりました。あわせて御礼を申しあげます。

 メルマガは終わりましたが、この機会に、英米文学からの訳注つき全文訳『アンの青春』を、ぜひともお読みください。
 未来に夢を持って青春の日々を生きるアンの姿に、さわやかな感動をおぼえられることと思います。
 また、イギリス文学、アメリカ文学からのたくさんの引用が、物語に奥深い魅力と知的な輝きをそえていることに、きっと驚かれることでしょう!
 
 新しいメールマガジン『アンの愛情の心がきれいになる言葉』は、今月末より、お届けする予定です。
 現在、私は、シリーズ第3巻の『アンの愛情』を訳しています。その訳文から、心が洗われるような気持ちのいい文章をよりすぐり、お届けしたいと思います。
 それでは、今後とも、どうぞよろしくお願い申しあげます。

松本侑子

『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
著作権保護のため、無断転載を厳禁します