アンの青春の明日が輝く言葉−第144回                 松本侑子ホームページ

 ある人がある人のどこをいいと思っているのか?……それは永遠にとけない謎だ。しかしだからこそ幸せなのだ。みんなが同じ見方をしたら、インディアンの古い諺のように「誰もがわしの女房をほしがる」ということになる。ダイアナは、たしかにフレッド・ライトに何かを見た、しかしアンには見えなかったのだ。

『アンの青春』第29章

 ダイアナは、フレッド・ライトと婚約します。バラ色の頬をしていた可愛い女の子ダイアナが婚約するなんて、歳月の流れを感じますね!
 しかしアンは、フレッド・ライトのどこかよくて結婚するのかしらと、不思議に思っています。
 あの人のどこがいいのかしら……。はた目には、そう思っても、当事者にしか見えない、すばらしい魅力、人徳、才能が、きっとあるのです。人の魅力は、表面的なものではなく、他人には容易に伺いしれない深いところにあるのだと、モンゴメリは伝えています。

松本侑子

『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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