アンの青春の明日が輝く言葉−第121回                 松本侑子ホームページ

「もし失恋で本当に胸がはりさけるというなら、ステファン・アーヴィングがもう帰ってこないとわかったときは、たしかに胸がはりさけそうだったわ。でもね、失恋して胸がはりさけるといっても、実際は、小説みたいにひどいことにはならないのよ。それは、歯痛みたいなものよ。たまにはズキズキ痛んで眠れない夜もあるけど、その合間は何事もなかったように、人生や、夢や、こだまや、ピーナッツ・キャンディを楽しめるの」

失恋をふりかえるミス・ラヴェンダーの言葉 『アンの青春』第24章

 別れた後のつらさ、嘆きの深さは、私にも経験があります。
 でも、小説や映画のように、その後もずっと人生が黒雲におおわれ、生きる希望をなくしてしまい、二度と立ち直れない、なんてことは、ありません。
 悲しみにひしがれて眠れない夜はあっても、折々には、人生の日々、夢、美しいもの、おいしいものを楽しめます。
 心は、あなたが思うよりずっと、強いのです。さあ、元気を出して、楽しいことをしてみてください。

松本侑子


 今日の言葉とコラムは、新刊『アンの青春の明日が輝く言葉』(松本侑子著、ディスカバー21発行、1200円)P.78〜79に掲載しています。またの機会に、ぜひ書店でご覧ください。


『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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