アンの青春の明日が輝く言葉−第99回                 松本侑子ホームページ

 アンはどんなに気が動転していようと、そんな気配はみじんもみせなかった。

                        
『アンの青春』第20章

 アンは、内心では、すっかり気が動転していたのですが、そんなそぶりを、まわりの人に、見せませんでした。
 新年度、新学期の始まる四月は、初めての人の前で挨拶をしたり、話をする機会が増えます。そんなときは、誰でも緊張します。
 でも、本人はどんなにあがっていても、他人は、あまり気づかないものです。
 人前で話すのは恥ずかしい、アガッテいるのを人に気づかれるのが恥ずかしい、というかたは、ここは一つ、アンのように本当は口から心臓が飛び出そうでも、涼しい顔をして、ゆったりと振る舞ってみてください。すると、人にはわかりません。そればかりか、自分自身も、だんだん落ちついてきます。私も緊張しそうなときは、いつもそのようにしています。

松本侑子 


『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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