「倹約家は、ケチとは大違いよ。倹約家というのは、人間として素晴らしい取り柄よ」
『アンの青春』第18章
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 マリラは物を大切にします。古い布は最後まで再利用し、まわりの野原になる野生の実も砂糖煮や果実酒などの保存食にします。子どもにも無駄なおやつは食べさせません。しかしマリラは、決してケチではありません。身よりのないデイヴィとドーラの双子を、血はつながっていなくとも、引き取って育てます。そんなマリラのことを、アンは感心しています。
物を大事にして、無駄遣いをせず、そうした貯めたお金を、有意義な目的に使える人……。そんな人が、すてきな倹約家ですね。
松本侑子
『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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