アンの青春の明日が輝く言葉−第81回                 松本侑子ホームページ

 ダイアナの父親は自由党の支持者だった。そのためダイアナとアンは、政治の話はしないことにしていた。グリーン・ゲイブルズ一家は、長年、保守党を支持してきたからだ。

                        
『アンの青春』第18章

 大切な人との関係をいいままに保つために、政治の話は、さけた方がいい話題の一つかもしれません。ほかにも宗教、金銭などもあると思います。
 政治などの社会問題は、考えるべき時、話しあうべき時には、きちんと考え、話すことが重要ですが、社交、友情の場では、おたがいに気まずくならないように気配りも必要ですね。
 アンとダイアナは、友情を長続きさせる努力をしているのだと改めて気づきました。
 19世紀後半のカナダの自由党と保守党については、『赤毛のアン』にもよく登場します。リンド夫人、ダイアナ、ギルバートの家庭は自由党支持で、グリーン・ゲイブルズは保守党支持でした。当時の二大政党の違い、政策については、拙著『誰も知らない「赤毛のアン」』(集英社)に解説しましたので、興味がおありの方は、ぜひご覧下さい。

松本侑子 


『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
著作権保護のため、無断転載を厳禁します