アンの青春の明日が輝く言葉−第65回                 松本侑子ホームページ

 寝床から起きあがると、どんよりと曇った寒さの厳しい冬の朝で、人生とは退屈で、味気なく、生き甲斐がないものだと思えてならなかった。

                        
 『アンの青春』第12章

 日が短くなり、朝も夜明けが遅くなりました。目覚めても、まだ外は暗く、気分もどんよりと沈みがちです。
「人生とは退屈で、味気なく、生き甲斐がないものだ」とは、もとはシェイクスピアの悲劇『ハムレット』で王子ハムレットが語る厭世の言葉です。モンゴメリはこの一節を『赤毛のアン』にも引用しています。
 誰でも、人生が無意味で、生きる価値もない惨めなものに感じられる日があります。あの楽天的なアンですら、そうなのです。
 だから落ち込んでも、人生を諦めずに、自分をいたわって、楽しいことをして、のんびりと過ごしてみてください。いつかまた気持ちが明るくなりますよ、きっと。


松本侑子 


『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社)より引用
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