幸せになる『赤毛のアン』の言葉−188                    松本侑子ホームページ

「今までは仲良しじゃなかったわ。競争相手だったもの。でも、これからは仲良くした方が賢明じゃないか、ということになったのよ」

                        
『赤毛のアン』第38章

 赤毛をからかわれて以来、口もきかなかったギルバート少年と、アンは仲直りします。というのも、ギルバート少年は、アンのために自分を犠牲にして、就職を譲ったのです。アンに無視されても嫌われてもくじけずに思い続けたギルバートの一途な強い愛が、報われたのです。でも本当は、アンも心の底では、ギルバートを憎からず思っていました。仲直りして、二人ともに幸福に包まれます。素直になって心を通わせあうことの大切さを感じます。
 次回は最終回です。

松本侑子 


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2002.1.27.