「今までは仲良しじゃなかったわ。競争相手だったもの。でも、これからは仲良くした方が賢明じゃないか、ということになったのよ」
『赤毛のアン』第38章
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赤毛をからかわれて以来、口もきかなかったギルバート少年と、アンは仲直りします。というのも、ギルバート少年は、アンのために自分を犠牲にして、就職を譲ったのです。アンに無視されても嫌われてもくじけずに思い続けたギルバートの一途な強い愛が、報われたのです。でも本当は、アンも心の底では、ギルバートを憎からず思っていました。仲直りして、二人ともに幸福に包まれます。素直になって心を通わせあうことの大切さを感じます。
次回は最終回です。
松本侑子
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『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2002.1.27. |