「喧嘩したんだよ。ジョンが謝ってきたのに、私が許さなかったのさ。少したったら許すつもりだったよ。でも意地をはってふくれていたのさ。まずジョンを懲らしめてやりたかったんだよ。でもジョンは、それきり戻ってこなかった。プライス家の人間は、みなえらく自尊心が強いからね。それで私は、何というか、後悔したもんだよ。ジョンが謝ってきたとき、許していればよかったのにと、ずっと思っていたよ」
『赤毛のアン』第37章 マリラの台詞
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マリラは若い日の失恋を回想しています。喧嘩した後、彼が謝ってきたのに、意地をはって許さなかった。それきり彼はもう二度と戻ってこなかった……。悔いても悔いきれない無念を心の底にかかえて、マリラは五十代まで独身で生きてきたのです。
あなたにとって大切な人なら、意地をはらないで、仲直りしてください。人生は、一度しかないのです。
松本侑子
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『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2002.1.9. |