幸せになる『赤毛のアン』の言葉−184                    松本侑子ホームページ

「いま、マシューはちょっと遠くにいるだけ。マシューの好きなものは何も変わらないわ」

                        
『赤毛のアン』第37章 アラン牧師夫人の台詞

 マシューの死後、アンはダイアナと楽しく笑いあったり、美しい自然の景色に心が高揚すると罪悪感をおぼえます。マシューが亡くなったのに、笑うなんて、自然に感動するなんて悪いことでは……と。すると牧師夫人は言います。マシューが生きていたころ、アンの笑顔、アンの喜ぶ姿が好きだったように、亡くなった今も、それは変わらない。「亡き人はちょっと遠くにいるだけ」この一節は、アメリカの詩人ライリーの一節です。

松本侑子 


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2002.1.13.