幸せになる『赤毛のアン』の言葉−142                    松本侑子ホームページ

 愛情とは、言葉で伝えたり顔に出したりするべきものであるが、マリラはそれができなかった。しかしマリラは愛の表現を身につけていないとはいえ、その思いを表に出さないだけに、この灰色の目をしたやせた少女を、いっそう深く激しく愛するようになっていた。

                        
『赤毛のアン』第30章 

 偏屈屋で頑固なマリラは、アンを愛していても、それを表にあらわすことができません。そこでアンは、マリラがどんなに自分を愛しているか、よくわかっていないのです。心に秘めた愛もすてきですが、本当に相手を愛しているなら、言葉や、まなざし、表情やしぐさで相手に伝えてみましょう。

松本侑子 


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.8.12.