「牧師の奥さんに言えないようなことは、悪いことに決まっているわ。牧師夫人が友だちだと、良心をもう一つもっているみたいで、いいわね」
『赤毛のアン』第29章
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アンは、牧師夫人のミセス・アランと仲良し、二人は心の同類です。
当時の牧師夫妻は、地域社会の道徳のお手本でした。その牧師夫人に話せないようなことは悪いことだから、してはいけない、という意味です。
モンゴメリは『赤毛のアン』を書いていたころ牧師と婚約中で、のちに牧師夫人になります。『赤毛のアン』には、これから牧師夫人になろうとするモンゴメリが考える理想の牧師夫人像が描かれているように思います。
松本侑子
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『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.7.11 |