「ビロードの絨毯、それに絹のカーテン! 私、ずっとこんな部屋を夢見てきたの。でも自分でも信じられないけど、すてきな調度品にかこまれていても、あまり居心地がよくないわ。この部屋にはものがありすぎて、しかもとてつもなく贅沢だから、想像をめぐらす余地がないのよ。貧しいことにも一ついいことがあるんだわ。ものには恵まれなくても、想像をはたらかせることがたっぷりあるのね」
『赤毛のアン』第29章
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大金持ちのジョセフィン・バリー老嬢の屋敷へ招かれ、客間に入った感想です。
松本侑子
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『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.7.8. |