幸せになる『赤毛のアン』の言葉−132                    松本侑子ホームページ

「ビロードの絨毯、それに絹のカーテン! 私、ずっとこんな部屋を夢見てきたの。でも自分でも信じられないけど、すてきな調度品にかこまれていても、あまり居心地がよくないわ。この部屋にはものがありすぎて、しかもとてつもなく贅沢だから、想像をめぐらす余地がないのよ。貧しいことにも一ついいことがあるんだわ。ものには恵まれなくても、想像をはたらかせることがたっぷりあるのね」
                        
『赤毛のアン』第29章

 大金持ちのジョセフィン・バリー老嬢の屋敷へ招かれ、客間に入った感想です。

松本侑子 


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.7.8.