幸せになる『赤毛のアン』の言葉−128                    松本侑子ホームページ

「グリーン・ゲイブルズへ来てから、いろんな失敗をしたけど、そのたびに欠点がなおったの。マリラの紫水晶がなくなった件では人の物をさわらなくなったし、《お化けの森》を通れなくなったときは想像力のいきすぎがなおったわ。ケーキに痛み止めをいれた件では、集中してお料理をするようになったし、髪染めの件では、虚栄心がなおったのよ」

                        
『赤毛のアン』第28章

 失敗しても、そこから自分を高めていくアンがステキです。宝石を盗んだ疑いをかけられたり、幽霊を想像して暗いところが歩けなくなったり、来客用のケーキ作りが失敗したり、髪染めに失敗したり……。それぞれは、結構気持ちがへこむような大失敗ですが、アンは落ちこんだ後、そこから自分を改善しようとします。その心のすこやさかに惹かれます。
松本侑子 


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.6.26.