幸せになる『赤毛のアン』の言葉−127                    松本侑子ホームページ

「ねぇ、僕たち、いい友だちになれないかな? あの時は、髪をからかったりして、本当に悪かったと思っているよ。怒らせるつもりはなかったんだ、ほんの冗談だったんだよ。それに、もうずっと前のことじゃないか。今じゃ君の髪はとてもきれいだと思うよ。心に誓ってそう思っている。ねえ、友だちになろうよ」

                        
『赤毛のアン』第28章 ギルバートの台詞

 アンの赤毛をからかったギルバートは、アンにあやまり、仲直りを持ちかけます。彼のひたむきな瞳にアンは胸がときめきますが、赤毛を馬鹿にされたときの怒りを思い出し、意地になって言い返します。「あんたとは決して友だちにならないわ」と。そして後で後悔するのです。意地をはるんじゃなかった、あの時、ギルバートを許せばよかった……。
 大切な人とケンカしているあなた、意地をはらないで、仲直りして下さいね、今日。

松本侑子 


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.6.24.