幸せになる『赤毛のアン』の言葉−81                     松本侑子ホームページ

「正直なところ、アンは、微かに胸のいたみを覚えずにはいられなかった。自分は簡素な黒のタモシャンター帽と、マリラお手製のまっすぐな袖のぶ恰好な灰色のコートを着ているのにひきかえ、ダイアナは毛皮の帽子と小粋なジャケットなのだ。しかしすぐにアンは気をとり直した。私には想像力があるんだから、それで補えばいいんだわ。」

                        
『赤毛のアン』第19章

 コンサートに出かける晩、ダイアナは贅沢な装い、アンは質素な身なり……。しかしアンは、自分には想像力があるのだから、すてきな衣装を着ているんだと想像しようと決意して、楽しい気分で出かけます。せっかく出かけるなら、楽しまなくてはね。
松本侑子


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.3.8.