幸せになる『赤毛のアン』の言葉−76                     松本侑子ホームページ

「晴れわたり、凍てつくような夜だった。銀色に光る雪の斜面に、黒檀のような影が黒々とのびていた。大きな星がいくつも、しんと静まりかえった野原の上に瞬いていた。そこかしこには尖ったもみが、枝に粉雪をかぶって黒々とそびえ、その間を風がひゅーと吹きすぎていく。何もかもが神秘的で美しい冬の夜の中を、かすめるように走っていく喜びに、アンは浸った。」

                        
『赤毛のアン』第18章

 よく晴れた冬の夜……。白銀の雪野原、空には、大きな星が氷のように光っている。美しい冬の夜景です。
松本侑子


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用/2001.2.25.