幸せになる『赤毛のアン』の言葉−36                     松本侑子ホームページ

「日はほとんど暮れ落ち、物憂い十一月の夕闇が、グリーン・ゲイブルズを包んでいた。台所では、ストーブの火だけが、赤くちろちろと燃えている。アンは暖炉の前の敷物にトルコ人のようにあぐらをかいてすわり、心躍るような火の輝きを見つめていた。」

                        
『赤毛のアン』第30章

 日が短くなりましたね。  グリーン・ゲイブルズも、十一月の夕暮れは寒く、暗く、陰鬱です。
 でもアンは暖炉の前で、火を見つめながら楽しい空想にひたっています。

松本侑子


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用。