幸せになる『赤毛のアン』の言葉−18                     松本侑子ホームページ

「グリーン・ゲイブルズの十月は美しかった。秋の陽ざしを浴びて野原がひなたぼっこをしている間に、窪地の白樺は、日光のような金色に染まり、果樹園の裏手のかえではみごとな深紅に変わり、そして小道の山桜は、濃い赤と青銅色(ブロンズ)の綾なす美しい色合いをおびていった。
 アンをとりまく色とりどりの美しい世界を、彼女は存分に愉しんだ。」


                        
『赤毛のアン』第16章

 10月も中旬をすぎました。日ごとに秋の気配が深まっていきます。
 カナダの10月は、紅葉の季節。3年前に訪れた秋のトロントを思い出します。
 どうぞ美しい秋をおすごし下さい。

松本侑子


『赤毛のアン』(集英社文庫、松本侑子訳、800円、2000年)より引用。