アヴォンリーのモデルとなったプリンスエドワード島のキャベンディッシュ一帯は、今でも、島の中でもとくに息をのむような美しい景色が保たれています。
自然が美しいだけでなく、家々も庭もよく手入れされ、調和のとれた村作りに対する人々の意識が高いことがうかがえます。
それは百年以上も前から、アンのような活動と公共の美意識が地元にあったからかもしれません。
このようにアンは、評判の良い教師、社会性と行動力のある若者として、地域の人々に知られ、将来を期待される存在となったのです。
そんなアンもグリーン・ゲイブルズでは、親のない双子のデイヴィとドーラを引き取り、親身になって育てる優しい娘です。アンは家事の担い手でもあり、料理、洗濯、炊事、裁縫にも労を厭わず精を出します。アンに恋の足音はまだ遠くからかすかに響くのみですが、ミス・ラヴェンダーの恋物語(ロマンス)と結婚、親友ダイアナ・バリーの婚約に胸をときめかせ、充実した青春の日々を送ります。
──『アンの青春』(モンゴメリ著、松本侑子訳、集英社、2001年発行)の「訳者あとがき」P.458〜459より。
次回は、『アンの青春』の読みどころと魅力をご紹介して、第3回配信から、いよいよ『アンの青春』の言葉を一つ一つ、ご案内してまいります。
連休明けの週ですね。どうぞ良い1週間をおすごしくださいますように……。
著作権保護のため、無断転載を厳禁します。
★前回のメルマガを編集して1冊の本を作って頂きました。『赤毛のアンの今日が幸せになる言葉』(ディスカヴァー21、1200円)
驪次へ
麗戻る
黎目次
戀トップ