アンの愛情の言葉 第17回

「十代は、人生のなんともすてきな季節ですからね。嬉しいことに、私から十代が去っていったことなど、一度もありませんよ」
 アンは笑った。
「おばさんでしたら、そうですね。百歳になっても、十八歳のままですよ」──第19章 ジェイムジーナおばさんとアンの会話

"The teens are such a nice part of life. I'm glad I've never gone out of them myself."
 Anne laughed.
"You never will, Aunty. You'll be eighteen when you should be a hundred. "── Chapter 19 "ANNE OF THE ISLAND" by L.M.Montgomery

アンは、大都会ハリファクスで大学に通いながら、パティの家で、同級生たちと暮らしています。
女の子だけが暮らすパティの家に、お目付役のように同居しているのが、ジェイムジーナおばさん(Aunt Jamesina)です。

そのおばさんの前で、二十歳の誕生日を迎えたアンは、「自分の十代が永遠に去っていってしまった」と寂しがります。
するとおばさんが、上記のように言うのです。

ジェムジーナおばさんは、決して若くはありませんが、いつも茶目っ気たっぷりです。
いくつになっても、十代という人生の生き生きとした季節を、心のなかに残しています。

ツツジと若葉の美しい季節ですね。まるで若者のように溌剌として、みずみずしくて、きれいな五月……。
どうぞこのゴールデン・ウィーク、うららかに、楽しく、おすごしくださいますように……。

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★『静寂のノヴァスコシア〜野鳥と案山子と詩人をめぐる旅』
(ハワード・ノーマン著、栗木さつき訳、早川書房、1800円+税)
この新刊書に、巻末エッセイ「アンと私のノヴァスコシア」(12枚)を書きました。

この本は、アメリカの作家ハワード・ノーマンによるカナダ、ノヴァスコシア州の一風変わった紀行エッセイです。(次へ)
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