アンの愛情の心がきれいになる言葉 第1回

少しずつ秋が深まっていきますね。みなさま、いかがおすごしでいらっしゃいますか。
それではこれより、メールマガジン『アンの愛情の心がきれいになる言葉』を始めたいと思います。
『アンの愛情』は、『赤毛のアン』、『アンの青春』に続くアンシリーズ3作目の長編小説です。
私は2001年の秋より、この作品の全文訳と引用出典探しにとりかかってきました。近々、第一稿がほぼ訳し終わるところで、そのあとは推敲と訳注の執筆作業に入ります。

メールマガジンの本文を書く前に、まず、物語の筋書きをご紹介しましょう。
前作『アンの青春』では、アンが、16歳から18歳までの2年間、アヴォンリーの村で送る教師生活が描かれていました。
続く『アンの愛情』では、18歳のアンが、プリンスエドワード島州を離れて、彼女の生まれ故郷であるノヴァスコシア州にある大都会キングスポートのレッドモンド大学へ進みます。
ノヴァスコシア州は、ニュー・スコットランドという意味の州で、カナダ南東部にあります。
この作品は、アンシリーズ全作品のなかで、唯一、プリンスエドワード島以外が舞台となっているのです。

レッドモンド大学は、ノヴァスコシア州の州都ハリファックスにあるダルハウジー大学がモデルです。
作者のモンゴメリ本人も、プリンスエドワード島で2年間ほど教師として働いたあと、この大学で半年程度、英文学を学びました。
私も2度ほど、この大学をたずねてみました。
すると、モンゴメリが通った当時のままの美しく古風な建物が、今でも残っていました。(次へ)

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