献辞の訳注
(1)恩師ハッティ・ゴードン・スミス先生に捧ぐ(p4)……モンゴメリが子ども時代に教わった女性教師。
 本書のアヴォンリー校のモデルとなったキャベンディッシュ校で1882〜92年に教諭を務めた。
 モンゴメリの日記1889年10月22日(14歳)には「ゴードン先生は私たちの先生。とてもいい先生で大好き」、
 17歳の1892年6月末日は先生との別れに際し「とても名残惜しい!真の友を失った――私の野心と努力を理解してくれるキャベンディッシュでただ一人の人。先生がいなくなったらとても寂しい」、
 1909年9月1日(34歳)本書『アンの青春』の本が届いた日は「恩師ゴードン先生に捧げた。先生の思いやりと励ましに感謝して。先生がご覧になるかどうかはわからない。先生の消息がわからないからだ。3年以上、先生から音信がない。現住所を探そうと手を尽くしているが成果はない」と書いている。
 モンゴメリは教師となったアンの姿を描きながら、あらためて恩師の指導を感謝とともに思い出したのだろう。
 ちなみに第一巻『赤毛のアン』巻頭には「この本を、今は亡き父母の思い出に捧げる」とある。モンゴメリは生後1歳で母を、25歳で父を喪ったため33歳で出た初めての本『赤毛のアン』を天国の両親に捧げた。
黎記号について
麗本文
驪目次
戀トップ