あんたらを産んだのは
 
子どもたちには小さいときから
いつも言い聞かせていることがある。
 
母ちゃんはね、母ちゃんのためにあんたらを産んだと。
 あんたらのために母ちゃんは生まれたんやないと。
 だって母ちゃんが先に生まれたんやき、そうやろ?
 そいき、あんたらは母ちゃんに孝行せなんたい」
 
三人が三人ともどうした訳かこの言葉に
疑問を持たずにスクスクと成長し、
日々、私にこき使われる生活を送るようになった。
 
長男は自動車の運転ができるようになったので
今では「ヤッター!家族旅行で遠出できる」と
運転主役(おお、オオゴトのミス!主役は私。長男は運転手)
そしてたまに私の話し相手。
 
次男はきれい好きなので洗濯や掃除当番。
あ、それと家のあちこちの修理はこの子の担当。
 
三男の主な仕事は食事担当で、かつ雑用係。
「母ちゃん玉子が安かったき、買ってきたバイ」
ミニ主婦ぶりを常に発揮する。
 
1年前まではこれにマキで風呂を沸かすなんてのもあった。
 
そう、我が家の子どもたちは手伝いをするのではなく
家事を一人前に分担させられている。
 
テストで妙ちきりんな点をとってきても
なんとも反応のない母ちゃんであるが
家事をサボっていようものならすざまじい嵐が巻き起こる。
 
母ちゃんが荒れ狂うのを見るよりも
家事をしている方が随分と気楽なためだろう
いたって素直に言うことをきく。
 
しかし、最近では成長してきたため
「母ちゃんがあんたたたちを産んだのは云々」も
すこし説得力に欠け始めてきた。
 
そこで近頃では内容が変化してきた。
 
「家事のできんヤツは、仕事もできんとタイ!
 母ちゃんはあんたたちが世間に出ても
 役に立つように家事を仕込みようだけタイ!」
 
「なんか母ちゃんの言葉には説得されてしまうっちゃね」
と言いつつ今日も子どもたちは母ちゃんにこき使われている。
 
「母ちゃんがあんたたちを産んだんはね・・・・・・」
更新日時:
2003/06/01

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Last updated: 2004/1/30