ニホティーチャーの最後のホームルームは続く。
と、その時、隣のクラスからギターの音と共に、合唱する歌声が聞こえてきた。隣同士だからかなりの音量だ。
あれだけ、一点に集中していた生徒たちの、意識が一瞬途切れた。
「いいかぁ、隣は合唱でも、うちは説教ぞぉ」
ニホティーチャーはすかさず生徒たちの意識を自分に集める。
生徒たちはいっせいに笑う。
実は、ニホティーチャーの実家はお寺で、彼は僧侶でもあるのだ。
自分が学校に通っていた頃、どんなに母親を泣かせたことかに始まり、大人になって兄さんと二人で托鉢にでかけたときのことなど、色んな話が次から次へと飛び出してくる。
先生の中には教え足りなかったこと、伝え足りなかったことがたくさんあるのだろう。
面白おかしく話す先生の話は、海外の日本人学校で教師をした時の話へと移っていった。
3年間海外にいたが、まったく英語は話せんかった。未だに英語は分からん。
覚えた言葉は「パードン」のみ。これでぜーんぶ切り抜けた。
そいけど、せっかく英語を勉強できるチャンスやったとに、モノに出来んかったんが今頃惜しいと思う。
いいかぁ、お前たち。これからは「英語とパソコンぞ!」
どっちもよーと勉強しとけよ。
これはどっちも特権階級のもんなんぞ。
特権階級のモン(者)だけがこれを操れる間は、特権階級として存在できるき、一般ピープルには分からんごと教えるんぞ。
そいき、みてみぃ。中学・高校・大学っち英語を習っても、いっちょも、使えるようにならんやろうがぁ。
(ってぇ、あーた。それ真実かもしんないけど、立場上どうかと… 第一、学校で分かるように教えんかったら、どこで勉強するのさ。うーん、でも妙に納得)
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