普段はたとえばこんな週末

平日は普通の会社員の2人ゆえ、夕食のときくらいがゆったりと過ごす時間で、
出かけたり遊んだりは自ずと週末になる我が家。
その代わり、週末は割とばたばたと遊び倒します。
家でのんびり過ごす週末も、ご飯に力を入れて、例え2人とはいえ
宴会仕様で、かかってこんかい状態。
そんな我々のたとえばこんな週末を紹介しましょう。

***土曜日***



この日は、急遽義弟の引越手伝いの予定が入り
相方が出かけていった。
私も手伝いに行くつもりだったのだが、
一昨日、三回目の足の裏のイボ治療注射(抗ガン剤だよ。びっくりした。)を
受けたが為に、歩行に困難をきたすので
私は我家の掃除を一手に引き受けることにして
義弟の所へは相方一人で向かって貰う。
家の掃除が終わったら、えっちらおっちら義弟のところに
駆けつける予定。
こんな体たらくでなんの役に立つかはわからんが。
すまん、J朗よ。

午前中いっぱいかかって家中を綺麗にし、
さて、ご飯を食べてから義弟の所に手伝いにいくかいな、と
思ったところに相方から電話「終わっちゃった。上野行く?」


というのも、ここ数日、私の中での上野熱が高まっていたのです。
普段履きとして愛用しているpumaの3代目が
そろそろ欲しい。2代目は底がすり切れてきている。なさけない。
通勤には手放せないリュックも新しいのが欲しいから、
A.I.PかもしくはPORTER、あるいはpatagoniaを見に行きたい。
そしていわずもがなの食料品観察(観察?)。
輸入食材は見ているだけで心が弾むもんな。

「びっこでもいい??」



御徒町で駅を降り、お約束のアウトドア系スポーツ店へ行き、
そのあとはお目当ての靴を求めて、あちこちの
靴屋を覗く。アメ横逆送状態。
めでたく3代目をゲットして満足。
行ってみたかった鞄屋も見ることが出来て更に満足。

さて。では、ここから、ディープな世界へ。
アジア系食材がいろいろ手に入るアメ横センタービルへと
足を運びます。
アメ横センタービルは、上野中通りとアメ横通りの分岐点にあるビルで
上階はファッションビルになっているのだが
地下には、品揃えが、ちとアジア寄りの魚屋や
モツ系豊富な肉屋や輸入食材を扱う店が揃っている。

地下に向かうエスカレーターに乗っただけで
独特な匂いが鼻を刺激する。
むんっと。
鼻炎持ちで、匂いにはこと鈍感な私が
「お!すげっ」と声に出してしまうくらいのアジアのかほり。


エスカレーターを降りてすぐに魚屋が数軒連なる。
一瞥しただけでもう日本じゃない。
品揃えがまず違う。生の鱧がずらずらっと並ぶ。
水槽の中も、鱧が泳いでいる。

顔はウツボみたい。悪人面。
これは自分で骨切りするんだろうか。マジか?無理だ。



他には、網に入れられたすっぽん。
100g400円とか。
「いやん、すっぽんなんて捌けない。」とお困りのあなた、安心です。
すっぽんは100g500円出せば、解体してくれます。
(解体しない場合より100gで100円増しってことです。)

ありがたみも無く、ごろんごろんと積み上げられている。


そして、あっちもこっちもマテ貝ですよ。
皆、結構買っていた。

小振りなマテ貝。今度は買ってみよう。


売っている人も買っている人も
韓国や中国の方みたいで、ここが日本ということを忘れるくらいの
雰囲気。アジア好きな私としてはそれだけで盛り上がる。
魚見てれば幸せな相方は、魚見ているだけで盛り上がる。
盛り上がり夫婦。


魚屋から逆時計回りで回ると、そこは肉屋。
いろいろな種類のモツがあって尚一層燃えさかる私の心。
「あ、ハチノスだ。トリッパ作りたい。
あっちは、センマイだよ。センマイ刺し、いいねえ。
カシラもあるで。うわうわうわ・・」
興奮も絶頂だ。倒れそう。

早速、豚足のでっかいのを1個100円で売っていたので
酒の肴に一本お買いあげ。

ゼラチン系が大好きなので
こういったものに目がない。
豚足は茹でたモノに酢味噌をつけて食べるよりは
甘辛くことこと煮込んだ奴が好みなので、これもそういう風に料理することに。


あとは、ポトフが食べたいと数日前から騒いでいた
汁好き男のために、ガラも買う。

とにかく、いろいろと楽しいモノが目白押しだが、
我が家の冷凍庫は未だマグロパライソ状態なので
今回は週末で食べられる分以上には買わないことにする。
ふふふ。上野は会社帰りにも寄れるところだもんね。


肉屋を過ぎると、いろんな輸入食材や
野菜を売っているような店が何店も。
私が好きな空心菜も売っているが、
昨日、まさに空心菜を食べたばかりなので今回は断念。

最近は、スーパーでも見るようになりましたね。
茎の中が空洞になっているので空心菜。
にんにくと炒めて塩こしょうするだけですんごいうんまいですよ。


あとは、ザーサイも購入。
束になったパクチー(香菜、コリアンダー、嫌いな方も多いですね)もあるし
私がタイで「このカレー、椿の葉っぱが入ってる。」と不届きなことを思った
バイ・マックルー(本当は柑橘系の葉っぱです)も売ってる。
紫色のもちみたいなのもありましたが、あれは何なんですかね。
ピータンもビニールにごろんごろん入ってるし、
店員さん、日本語かたことだし、嬉しくなる。


調子に乗って、2人で2周も3周もして、
スッポン売っているおじちゃんに
「スッポンはどれくらいの大きさからあるのか」聞いたりして
頭の中が毎度の如く、宴会モードになるってなもんです。
相方が騒いでいたから、間違いなく、近日中に
私はスッポンを買いに行かされるんでしょう。
会社帰りに、スッポンぶらさげて東海道線でご帰還している
怪しい女が居たら私だわ。
この夏のまっただ中にスッポン料理大会開催確実だ。


この日は、これにて満足して家に帰る。
私がぶらざげたガラは、解凍されて、帰り着く頃にはかなりドリップが
たまっていて危険だった。
ビニール袋に穴が空いて無くて良かった。
東海道線に乗りながら鶏ガラのドリップをまき散らす怪しい女になるところだった。


***日曜日***
さて。あけて日曜日。

今日は相方が映画を見るのにつきあってくれるというので
渋谷で開催中のヤン・シュヴァンクマイエル映画祭へ。
朝11時の回を観る。
演目は、Dプログラム:『石のゲーム』('65年)、『ワイズマンとのピクニック』('69)、
『アナザー・カインド・オブ・ラブ』('88)、『肉片の恋』('89)、
『フローラ』('89)、『スターリン主義の死』('90)、『フード』('92)、
『プラハからのものがたり』(シュヴァンクマイエルへのインタビュー作品/'94)

相変わらずのシュールな世界。すばらしい。


いやあ。それにしても渋谷とは人の多いところだ。

まあ、折角渋谷に来たことだしとか言って
結局地下食品売り場とかそんなのばっかり見て家に帰ってきたわけですが
このとき夕方4時。



「Mさん、呼んじゃう?」
「Mさん、呼んじゃおうか。」

Mさんというのは、相方の職場の元同僚夫婦なのですが
うちから車で5分くらいの距離に住んでいて
打てば鳴るよな(誘いにすぐのってくる、ともいう)
軽快な夫婦なので、非常に仲良くさせていただいているのである。

この度、奥さん(っていうかこっちが相方元同僚)がご懐妊で
悪阻やらなんやら大変で、しばらく会っていなかったのだが
昨日、私のもとに、やおら「キョウエさんとこ行きたいですー。腐ってますー。」
というようなメールが送られてきたのだ。

じゃあということで、電話をしたら即OK。
ほんと、こういう腰の軽い人たちは大好きだ。


ということで、早速宴会モード。
先日、ダッチオーブンをいくつか買い足して
日々ダッチオーブンでの料理にいそしんでいたわけですが
相方、ダッチオーブンで是非「鯛飯」を食べたいというので
近くのスーパーで小鯛を買ってきて貰って、鯛飯作成。
ただ、鍋の容量の問題で今回は土鍋使用。

鯛は小さいといえど、4匹もあったので
米は4合。
シンプルに、塩と酒と昆布だけで炊く。
土鍋の上一面、鯛ですよ。圧巻。

しかも、炊きあがったら、米もたんまりで
土鍋いっぱいの鯛飯が出来てびびる。
まあ、今日はコレがメインだし、M夫妻は下戸なので、
ご飯をいっぱい食べてくれるからいいとしよう。多分。



せっかくなので、ダッチオーブン料理(?)を。
ダッチオーブンの良さといえば、これでしょう、と
私が密かに思っている「ヤキイモ」。
アルミホイルで巻いて、ダッチオーブンに入れて、弱火で焼き続けるだけ。
それで、驚くほどねっとりと甘いヤキイモが出来る。
さつまいもは、出来るだけ、ゆっくりと加熱するのが良いらしいが
この焼き方は、この理想にあっているんでしょう。
安い芋でも、全然ぐー。

そして、昨日ことことと煮まくった「豚足」。
関節がわからなくて、一本丸々炊いてしまったので
(相方と2人で食べるつもりだったから、かぶりつけばいいやと思っていた)
ナイフを出して、皆でぷるぷるの皮と身をこそげ落として食べる。

三崎で買ってきた「鮪の尾のお刺身」。
骨に付いた部分はちゃんとスプーンでかき取って、ネギトロに。

ネットで知ってから、お気に入りで何度と無く作っている
「豆腐のマリネ」。
豆腐を水切りして、塩とこしょうとレモン汁でマリネしたものに
オリーブオイルをかけて食べる。
さっぱり夏の一品。

三崎で買ってきたきゅうりがまだまだパリパリなので
アメ横で買ってきた真っ赤なトマトと、
家にあった大根をスティック状に切ったモノに
メンタイマヨネーズと、オーロラソースをつけて食べる「スティックサラダ」。

これまた三崎で買ってきた米ナスで作った
「茄子の揚げ浸し」。

そして、何故かホットケーキの話が出て(あ、思い出した炊飯器で作るって話だ)
相方が「あ、あれ。あれ作ってあげて、黄金配合のパンケーキ。」と言い出すので
最後の最後に「パンケーキ」。
もちろんスキレット(ダッチオーブンのフライパン)で焼きます。
何度も何度も油をなじませてあるので、全くこびりつかず、素晴らしい焼き上がり。


そして今週も食べまくり。飲みまくり。


恋人よこれが私の週末の仕事です
  テュリャテュリャテュリャテュリャテュリャテュリャリャ
  テュリャテュリャテュリャテュリャリャリャー



ご馳走様でした。


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