引っ越しを後数ヶ月後に控えているわけですが
去年、引っ越しを決めた頃から
新居のカーテンや、マット類、布巾などを自分で少しづつ作っていこうと
思っておりました。
昨今流行の雑貨屋の店先には可愛いリネン類やらマットが並んでいるわけですが
これを買い揃えるとなると、ちりも積もればなんとやら・・
かなりな出費になりそうです。
それじゃなくても物いりですからね、なんとか出費を抑えつつ
それでも、心地良い新居にはしたい。気に入ったモノで家を整えたい。

そう思って見てみれば、本屋や図書館にはそういったものを手作りするための
知識にあふれたものがそろっているわけです。
これを使わない手はないと。
お金がなければ自分の手を動かせばいいわけです。

まずは、シンプルステッチの本を購入し、新居用の布巾をサラシで縫い始めました。
白いサラシに赤や黒の太い糸でざくざくとステッチを縫い込んでいきます。
非常に楽しい。シンプルで可愛い。
ついでに 古いタオルと厚手の生地で鍋つかみも作ります。
これもステッチを入れて。ざくざくざくと。曲がってちょっと不格好だがご愛敬と。
今のダイニングの下に敷いている麻のマットは随分汚れているので
これを洗って、綺麗なところを切り取って、ステッチか、他の布をあてるかして
台所用のマットに変身させる予定です。
これも、もとの生地がざっくり可愛いから、手を少し入れるだけで
おもしろくなりそうだ。

ふむ・・。

できればベッドカバーも作りたい。
台所についたベランダへのドアにもカーテンを掛けたい。
でも、これはステッチだと「可愛らしく」なりすぎか。
シンプルに、茶系の同系色の布をいくつかはぎあわせて
ざっくりとしたパッチワーク風に仕上げるのも面白いかも知れない。

そんなときに本屋で出会ったのがこの本。

韓国の伝統的なパッチワークの作り方が書いてあります。
題名のポジャギは日本でいう風呂敷のこと。お隣の国韓国にも「包む文化」があるようです。
韓国式パッチワークのことは「チョガッポ」というのですが
これは欧米のパッチワークと違い、あて布なしで裏表の境が見えないように仕立て上げる
やり方があることが特徴です。
(一時、テレビで流れていた韓国風サラダのドレッシングのCMの
中でも、後ろにポジャギが掛かっていたそうです。私は俳優さんの元気の良さに
目を奪われてしまって気付かなかった・・)


実はこのポジャギ、以前、ある雑誌で染織家の方の家の紹介がされていたときに
その方が韓国から買ってきたもの、として部屋の片隅にかけてあったものなのです。
その時、その透ける風合いと、直線立ちをランダムにつなげるその形の面白さに
目を奪われていたのでした。

まさか、本屋でその作り方に出会おうとは。
私にとっては初めて見たその染織家の方の部屋に下がっていた
白(さまざまな白)の布で作ったものが印象的だったので
ポジャギといったらシンプルなイメージだったのですが
実際のポジャギは韓国の色鮮やかな民族衣装や小物で見られるように、かなり色とりどりな
ものが多いのです。
ただ、この本の作者の方は、自分で天然染料で布を染めていることもあって
色味は落ち着いた感じ。




そのまま、その本は我が家に来ることになり、私はぽちぽちとつたない手つきで
台所用カーテンを縫い始めています。
全て手縫いの上、布が薄手なので、数年前に浴衣を作って以来、まともな
運針をしていなかった私にはかなり酷な作業といえるのですが
あの出来上がりを夢見て、暇なときに少しづつ・・。

初心者の癖に透ける質感を夢見てガーゼなんて馬鹿なモノを買ってきた私は
(本来は、麻の中でも高級な苧麻、薄絹などを使います。)
死ぬ思いです。


まだまだ、道のりは遠い・・・。
新居に遊びに来る方はくれぐれもこのカーテンの近くに寄りませぬように・・。
遠目に。遠目に見るのがコツなのです。

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