デジタルで写真を加工する際に、もっとも重要なのは基となるデータの情報量です。
「無いデータは加工できない」が基本です。
必要に応じて作ることもありますが、基本は「存在するデータをいかに加工するか」です。
でも、それは同時に在る余るデータから何を選択するかと言うのも問題になったりします。 LS-2000様では8Bitと12Bitの入力が選択できますが、実際に「違う」と言えば違うし、「同じ」と言えば同じに見えたりします。(^^;,,
とりあえず取り込んだデータを用意してみましたので、見てみて下さい。
取り込み条件をそれぞれ変えてみました。
どう違うのか解らない人はCoolScan3様で問題ないでしょうし、違いが気になる人にはLS-2000様が必要でしょう。(笑)
サンプリングビット |
8 bit |
12bit |
なし
イメージフィクス
OFF |
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x4
イメージフィクス
OFF |
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x16
イメージフィクス
OFF |
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x16
イメージフィクス
ノーマル |
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x16
イメージフィクス
シャープ |
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ただ、大幅な補正が必要なフィルムを取り込むときには取りこめるデータ量が多いほうが有利なことには間違いありませんが、実際にそこまで酷いフィルムを取り込むことがどれだけ在るかというのも疑問符ですよね?
でも、印刷(製版 or インクジェットプリント)する際に細かい階調が気になるときにはやはり入力階調の豊かなほうが、細かいディテールがのこっています。特に大幅にレベルを修正するときなどはやはり違うというか、気にならない人には気にならないというか...(-_-;,,
レベルをL,M,Hそれぞれ20 1.3 235に補正 |
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8Bit サンプリングビット x1 |
12Bit サンプリングビット x1 |
でも、それはLS-2000様の基本性能がしっかりしているからこそなんですよね。8bitでもしっかりとした基データを取り込んでくれる。そして、本当にまれに酷いデータを使わなければいけない時、12bitと言う保険は実力を発揮してくれました。
この辺の「何か在ったときでも、何とかなる」という信頼感は、後日入手したF3からもヒシヒシと感じます。多分これは、ニコンという会社の思想に直結している部分なのでしょうね。
それでも、気に入らない部分もあります。
まず、モノクロとコダクロームではイメージフィクスが効かないという点。コダクロームは未だ使ったことがないのですが、モノクロでは殆ど全滅でした。画像がめちゃくちゃに潰されてしまいます。(効果としては面白いんですけどね...)
また、一部のネガフィルムでも同様の現象が出るときがあります。これは、どのフィルムというわけではなく、一枚だけとかいうレベルですが、それでも、この機能を当てにして購入している身としては非常に辛いです....
また、「それでも」暗部にノイズが乗って来るという点。これはどうしようもないと思っていながらも、やはり気になってしまいます。
また、微妙に色味が青被りしている気がします。
そして、色の表現領域も、もうちょっと広いと嬉しいかなぁ...
あとは、クオリティーを上げると取り込みスピードが遅い、スリーブのフォルダがちゃちいなどですかね。フォルダ以外の点は使っているうちに慣れてしまったという点は差し引いて考えれば、やはり納得にいくスペックだとは思えますけど。
そんな、LS-2000様ですが、なんと新製品が発表されました。さらに今回発売される機種は3機種同時発売!(^_^)
WEBまでの作業や、簡単なプリントだったらCoolScan 4様で十分な気がしますが、ブローニーが読み込めるCoolScan 8000様には正直、気持ちが揺らぎますねぇ...
色再現のアルゴリズムがどう変わっているのか?
Degital GEMは何処まで使えるのか?
また、色補正用のLCHエディターとD1などで定評のあるニコンのアンシャープマスクが追加されているのも非常に気になります。
でもこれらの殆どは、LS-2000様でも新しいソフト、「NikonScan3」が使えれば全く問題無いんですけどね...(^^;,,
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LS-2000様でイメージに近づけた画像サンプル
出力12bit サンプリングビットx16 イメージフィクス シャープ
取り込み後、レベル補正、アンシャープマスクで調子を整えながら縮小
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撮影機材
- F3P
- Micro Ai-Nikkor 105mm F4
- CANON EZ-540
撮影データ
- 絞りF11 シャッタースピード1/60
- KODAK E100VS
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(2001/4/19 takuya)
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