私がNew FM2様をお慕いしている理由
New
FM2様の魅力はなんといっても「電池がなくてもシャッターが切れる、写真が写せる」というところだろう。こんなことは昔は当たり前のことではあったが、今となっては希少価値となり、この素晴らしさを体験することなしに過ごされている人も多いと思う。私はこのご神機様は今時のカメラの欠点をすべてカバーしていると思っており、特に悪条件での撮影やラフに扱って撮影した場合にもまったく不安を感じないほど信頼しきっている。
そんなNew
FM2様にだって、まったく欠点がないわけではない。ひとつはシャッター幕がやや弱いというところだ。FM2様に比べれば格段に進歩し頑丈になったものの、心配がまったくなくなったと言ったら嘘になる。幸い私はNew
FM2様になってからはシャッター幕バラバラ事件に遭遇したことはないが、巷では信心不足の為かこの事故に遭遇したという話を聞くことがある。
基本的には不信心からくるニコン様のお怒りであると思うが、フィルム装填時にフィルムの先端を幕に触れないようにする、清掃する時にブロアーから噴出させる空気を幕には吹きかけないといった基本的なことはしっかりと守るべきである。ブロアーを使う時にはシャッターをバルブに設定し、シャッター幕を上げて清掃するのが無難だろう。もっと厳しいことを言えば、フィルム装填時に自分の吐く息が幕にかからないように息を止めて作業するぐらいの心がけが必要である。
髪がおんなの命であるように、シャッター幕はカメラの命であると心に深く刻み込むように。
さて、もう一点だけ私はNew
FM2様で気に入らないところがある。それはファインダーだ。まずは視野率が100%ではないことを残念に感じている。今時100%にこだわることを馬鹿馬鹿しいと思われる人もいると思うが、私の好みとしては100%であって欲しいと願わずにはいられないのである。
ファインダーで問題に感じているのはこれだけではなく、周辺のピントがかなり見にくいことである。私がマット式のファインダースクリーンを使用していることがいけないといえばいけないのだが、中央部以外でもピントがあわせやすいに越したことはないはずだ。ただ、ファインダースクリーンを方眼マットに変更すると多少見やすくなるような気がするので、興味のある人は試してみる価値があるかもしれない。
ちなみに、標準で装備されているファインダースクリーンはスプリットマイクロ式である。 |