■ 秘宝堂 [Nikon New FM2] Page 1/2

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私とNew FM2様の関係

 New FM2様といえば、現行ではニコンを代表するマニュアル機として君臨されておられ、カメラ入門機の定番としても活躍されているご神機様である。

 私はF4様が出るまではNew FM2様とFE2様のお力で写真を撮影していた。FE2様はF4様をお迎えする為に養子に出ていただき、現在はNew FM2様を2台所有している。これらのご神機様を過去には酷使させていただいたが、現在ではほとんど出番がなく、ひっそりと老後を過ごされているのである。

 しかしながら、いざという時はF5様やF4様よりも信頼を置いており、特に悪条件の場合には、必ずバックの中にNew FM2様を忍ばせているのである。確かにのんびりと老後を過ごしていただいてはいるが、引退は許されないのだ。

New FM2
(使用説明書より抜粋)
フィルム巻き上げ 一作動レバー式、巻き上げ角135°、予備角30°
モータードライブMD-12による自動巻き上げ可能
フィルムカウンター 自動復元順算式(S・・1〜36)
フィルム巻き戻し 巻き戻しボタン、および巻き戻しクランクによる
セルフタイマー 作動時間約10秒、セット後解除可能
レンズ絞り連動 瞬間復元式、絞り込みレバー付き
多重露出 多重露出レバーにより可能
シンクロ接点 X接点のみ、1/250秒以下でスピードライトに同調
フラッシュバルブに1/30秒以下で同調
シンクロソケット JIS・B型ソケット、はずれ防止ねじ付き
アクセサリーシュー ホットシュー(レディライト接点付き)
レディライト LED表示、SB-20・22・16B・19などの使用時に充電完了で点灯、SB-20・22・16B・19の場合は調光範囲外などで点滅警告
裏ぶた 蝶番式、取りはずし可能、メモホルダー付き、データバックMF-16、12との交換可能
裏ぶた開閉 巻き戻しノブ兼用、ロック付き
電源 3Vリチウム電池(CR-1/3Nタイプ)1個、1.55V銀電池(SR44タイプ)2個、1.5Vアルカリマンガン電池(LR44タイプ)2個のいずれか使用
露出計スイッチ シャッターボタン半押しにてスイッチON、指を離すと約30秒後自動OFF、モータードライブMD-12使用時はMD-12のシャッターボタン半押しにてON、指を離すと約80秒後自動OFF
バッテリーチェック ファインダー内露出指示LEDにて確認
三脚ねじ穴 1/4インチ(JIS規格)
大きさ
(幅×高さ×奥行)
約142.5×90×60mm(ボディーのみ)
重量 約540g(ボディーのみ)

私がNew FM2様をお慕いしている理由

 New FM2様の魅力はなんといっても「電池がなくてもシャッターが切れる、写真が写せる」というところだろう。こんなことは昔は当たり前のことではあったが、今となっては希少価値となり、この素晴らしさを体験することなしに過ごされている人も多いと思う。私はこのご神機様は今時のカメラの欠点をすべてカバーしていると思っており、特に悪条件での撮影やラフに扱って撮影した場合にもまったく不安を感じないほど信頼しきっている。

 そんなNew FM2様にだって、まったく欠点がないわけではない。ひとつはシャッター幕がやや弱いというところだ。FM2様に比べれば格段に進歩し頑丈になったものの、心配がまったくなくなったと言ったら嘘になる。幸い私はNew FM2様になってからはシャッター幕バラバラ事件に遭遇したことはないが、巷では信心不足の為かこの事故に遭遇したという話を聞くことがある。

 基本的には不信心からくるニコン様のお怒りであると思うが、フィルム装填時にフィルムの先端を幕に触れないようにする、清掃する時にブロアーから噴出させる空気を幕には吹きかけないといった基本的なことはしっかりと守るべきである。ブロアーを使う時にはシャッターをバルブに設定し、シャッター幕を上げて清掃するのが無難だろう。もっと厳しいことを言えば、フィルム装填時に自分の吐く息が幕にかからないように息を止めて作業するぐらいの心がけが必要である。

 髪がおんなの命であるように、シャッター幕はカメラの命であると心に深く刻み込むように。

 さて、もう一点だけ私はNew FM2様で気に入らないところがある。それはファインダーだ。まずは視野率が100%ではないことを残念に感じている。今時100%にこだわることを馬鹿馬鹿しいと思われる人もいると思うが、私の好みとしては100%であって欲しいと願わずにはいられないのである。

 ファインダーで問題に感じているのはこれだけではなく、周辺のピントがかなり見にくいことである。私がマット式のファインダースクリーンを使用していることがいけないといえばいけないのだが、中央部以外でもピントがあわせやすいに越したことはないはずだ。ただ、ファインダースクリーンを方眼マットに変更すると多少見やすくなるような気がするので、興味のある人は試してみる価値があるかもしれない。

 ちなみに、標準で装備されているファインダースクリーンはスプリットマイクロ式である。

取説小話

使用説明書

使用説明書掲載の説明写真の再現

 今回この記事を書くにあたって、久々に使用説明書を引っ張り出して読んでみたのであるが、今までまったく気が付かなかった重要なことに気が付いたのである。私としたことが実に不覚であった。

 上の右側の写真は使用説明書の「基本操作」の項にある電池交換の説明写真を私が忠実に再現したものであるが、よく見て欲しい。皆様は電池交換の時に不用意に50円玉、10円玉、5円玉、1円玉などで交換していないだろうか?。実際には500円玉でも交換が可能であるのだが、ここではあえて100円玉を使っているということはニコン様からのメッセージ・・・、いや、訓示に違いないのである。ニコン様のご加護を得るためには100円玉を使って電池交換しなくてはならないのだ。

 思い返してみれば、私があの時に撮影に失敗したのは、電池交換を5円玉で行ったのが原因であるに違いないのである。皆様もこのような不信心がないように十分に気を付けて欲しい。

 話は変わるが、F5様やD1様等の取説に比べると、New FM2様の取説は重厚だと感じるのは私だけだろうか?。制作者達はご神機様達を敬う気持ちを忘れてはいないだろうか?。まったく、最近の若い奴らと来たら・・・。

 

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