<馴れ初め> 社会人になるまで異教のカメラ(キャノンF-1)を振り回していた私でしたが、10年ほど前、そろそろAF機を試してみたいと、初めてニコン様に浮気(!)をしたのがF-801でした。ところがその異教カメラに洗脳されてしまっていた私には、プラ外装や剛性感の低さ(同クラスのイオ○より、ずっと良いのですが...) に失望し、グレードアップを決意。ボーナスを叩いてF4を購入しました。でもF4もプラ外装だということに気がついたのは、その後のことでした。 <とにかく丈夫!、という印象> このカメラ、最も稼働率が高いのに、全く不具合を起こしたことがありません。ひどい使い方をしたのが、タイへの旅行の時。この時ケースなしで携帯しており、途中2度も激しいスコールに見舞われ、バケツの水をかぶせたかのようにひどく濡らしてしまいましたが、何事もなかったかのように動いてくれました。手持ちのF3HPは、シャッターメカ、露出計など、3年間で4回も修理をさせられましたが、このF4がサービスセンターの世話になったは、この旅行の後のオーバーホール一度きりです。個体差、使い方の個人差が大きく影響するのでしょうが、大事な撮影を控えていると、必ず手が伸びるカメラです。 <マニュアル感覚の操作性> ニコン様の場合絞りはもちろんですが、シャッタースピードや露出補正まで、撮影の基本となる操作がすべてダイヤル式となっているのが、私にとって何よりもうれしいのです。賛否両論あると思いますが、これ以外にもAEロック、絞り込みボタン、露出モード切替など、ほとんどの機能が右手一つで操作できることは、操作の迷いを無くすのに大いに役立っていると思います(多少慣れは要しますが)。左手はピント合わせとホールディングに集中させたいですから。 <ジュージアーロの手による秀逸なデザイン> これも賛否両論有るところでしょうが、非常にグラマラスで、曲面を多用しながら、少しも一眼レフカメラとしてのソリッドな存在感を失っていない秀逸なデザインだと思います。以前、田中長徳氏が、カメラに全く興味のない奥様にF4とF5を見せたところ、F4の方が高級に見えると言ったと、どこかで書いておられたのを思い出し、うちの奥様にはF一桁シリーズ全部を見せたら、やっぱりF4が一番だと答えてくれました。でもその後、「そんながらくた、早く処分したら?」と逆に問い詰められたのが、氏との大きな違いなのですが(苦笑)。 <F4の美徳> 未成熟なAF機能、F一桁シリーズで唯一プラ外装である等のマイナス面を指摘され、やや地味な印象のあるF4ですが、激動の8,90年代を記録し続けてきたニコン様の銘機の一つであることは間違い有りません。バブル絶頂期に販売されていながら、初代F同様、限定モデル、プロ仕様などの特別仕様を持たない奥ゆかしさ(?)も、F4の美徳です。 (PAX) (*スペック表は割愛いたしました。このページをご覧ください。) |