ニコンF4s、いわずと知れた先代のニコンFヒトケタシリーズである。カメラはフルメカニカルに限る・・・そう思っていたボクはそれまでボクはF2チタンを愛用していた。時代はシャッター優先オートか絞り優先オートのどちらが優れているかという議論に沸いていた頃である。
どうせオートを買うならデュアルAE、さらにフォーカスもオートでないと・・・とボクは友人達にうそぶいていた。(注:ジャスピンコニカにようやくコンパクトカメラにパッシブAFが搭載された頃の話)一眼レフにAFが搭載されるなんて誰も想像していなかったのだ!!
そんなボクはあのF3にも見向きもしなかった。デザインはニコン史上最高に美しいカメラだがスペックはF2に絞り優先オートを搭載しただけだったからだ。
だが、やがてF501を経てF4は世に出る!!
キャノンが例によってニコンの後からフラッグシップ機を登場させるが、先出のF4のほうが非常に評判は良かったようだ。ボクにも迷う理由はない!F2チタンは惜しかったがF4sを購入するため手放した。
そして、何度シャッターを切ったろう?オーバーホール時にシャッターを交換されているために軽く15万回は突破している。ボクの給料はコイツが稼いでくれているのだ。
世間で言われる程コイツのAF性能はすてたもんじゃない。今のカメラに比較すると合焦の見切りにやや時間を喰う場合もあるが、精度は非常に高い。超望遠でレースやプロスポーツを撮影するのではない限り、充分今でも通用するはずだ。
評判が芳しくなかったのはフォーカスエリアがシビアすぎて動体を追い続けるのが難しかったからではないか?動体予測も決して悪い性能ではない。
ヒューマンインターフェースにも目を向けてみよう。昔ながらのダイヤル操作は直感的だ。どちらへまわせばどうなるのか語るのもおかしいぐらい一目で判る。
1ダイヤル1機能・・・これ以上に操作性の良いものはない!製造側からの言い分もあるだろうが、このあたりはあきらかにF5は改悪されている。
ボディはエンジニアプラスチックだ。だがニコン独特のアルミダイキャストの骨組みとあいまって剛性感は最高である。貼ってあるゴムはツルツルしたものでこれも賛否両論別れるところだがボクは気に入っている。
ファインダー、これはF3HPで感触を得たのか標準でハイアイポイントになった。倍率の低いのを嫌う人もいるが、一目で全体を見渡せるのはフレーミングが非常にしやすいことに気付くはずだ。
ましてメガネを離せないボクは、もうハイアイポイントでないファインダーは使えない・・・。クリアブライトマットスクリーン2も非常に明るい。ただ、アウトフォーカスになった部分など実際に写真になると随分違うので、ここらへんは経験で把握しておく必要がある。
イルミネーターはon,offの切り替えができる。F5では外光を取り入れないため常時点灯しているが、これが真夜中の撮影などでは明るすぎて暗い被写体が非常に見づらい!
今やボクのF4sも主役をF5と交代しつつある。でも充分以上にメインをはれるカメラだし、被写体によってはメイン、サブを交代しつつボクの撮影ライフは続いていくのだ。
F5がEOS-1nキラーの使命も持って誕生したのとは違って、F4sは純粋にFの正当な後継者として生まれたのである。まさしくニコンの中のニコンなのだ!!
(ISOMURA)