■ 秘宝堂 [忙中暇人のAi改造記] Page 1/4

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 この記事を書き始めて知ったことなのですが、ニコン様のAi改造受付は1997年3月31日をもって終了していたのですね。私が最初にAi改造をしたのが98年の暮れでしたから、その時点で既に頼みたくても頼めない状況だったわけです。
  皆さんは、お手元に、Ai化される前のAuto Nikkorを幾つかお持ちのことでしょう。中には愛着が深くて、今でも使いたい!と、思い入れの強いレンズもあることと思います。
  私がAuto Nikkor F2.5 105mmを無謀にも自前でAi化しようと思い立ったのも、F3様をお迎えした時に、永年、初代Fに着けていたこのF2.5 105mmレンズを一刻も早く使いたい!との一念で、踏み切ったのでした。今回2本目のAi改造を、Auto Nikkor F3.5 43〜86mm で試みましたので、「Ai改造記」をまとめてみました。誰にでもお勧めできる作業では有りませんが、「ダメもと、自分もやってみよう!」と云う酔狂な方には、多少なりとも参考になればと思います。

  まず、今更ながらのおさらいですが、Aiレンズとそれ以前の非Aiレンズとの大きな違いは、写真の様に、Aiレンズでは絞りリングの後方に露出計連動ガイドが設けられていることと、露出計連動爪(通称カニの爪)に明かり取り用の窓が有り、かつ、取り付け方向が逆になっていることです。

  偉大なるニコン様は、非Aiレンズでも絞りリングの後方をチョコット削れば、立派にAiレンズとして使える様に心配りをして下さいました。ニコン様の意向を汲むと、まず、非Aiレンズの絞りリングに露出計連動ガイドの役割をする「切り欠き」をつくる、「カニの爪」に窓を開けて逆向きに付け直す。この二つの作業だけで旧Auto NikkorがAi Nikkorに変身できるわけです。 

 私が使った道具としては、写真にお示しした程度のものです。ルーターは無くてもヤスリでしこしこ気長にやれば何とかなるでしょう。

  では、早速作業に取り掛かりましょうか。まず、やることは絞りリングに作る「切り欠き」の位置と「カニの爪」の取り付け位置を決めることです。

  絞り開放位置(用語が判らん!レンズの開放値をカメラに伝える側)の決定は、そのレンズの開放値がF1.4ならf8の位置、F2ならf11、F2.8ならf16、F4ならf22となり、F2.5とかF3.5のレンズであれば、f11とf16あるいはf16とf22の中間となります。ちなみに、今回犠牲になった43〜86mmはF3.5ですから、f16とf22の中間にマーキングします。

 

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