半分論      

-5. 半分論 010616


バファリンの半分は、優しさで出来ている。残りの半分はというと、上半分でできていると言われている。実際は半分が胃薬である。有効成分だけだと胃が荒れるからである。優しさの残り半分は厳しさであるという寓話であろう。

ギリシャ神話だかローマ神話だか、おばあちゃんの昔話だかによると、人間は昔完全であったが、神の怒りにふれ体を半分に引き裂かれ、男と女になってしまった。そういうわけで完全なる自分の半分を求めてさまようのだ。しかし、男と女がくっついても完全なように見えないのがこの説の欠点である。

最近発見されたことだが、人の身体の半分は、前半分で出来ている。人類の半分を占める女性を、人類の半分が占める男性が見た場合、前半分の半球体に注目しがちである。ほぼ、球体の半分である形態がなぜ、人間の半分である男性を引き付けるのかは永遠の謎の半分である。それを察してか最近は、みかけの体積を増加させる偽半球体の技術が発達してきた。NHKのプロジェクトXでやっていたかと半分だけ思う。

それに対抗して、偽半球体を見破る技術も、人の半分である男性側においても発達してきた。寄せて上げるタイプの偽半球体は、その機構上、身体の中心から見て外側の勾配が急になってしまう。半球が変型され1/4球となっていることから偽半球体であることが見破られやすい。寄せて上げることによって、みかけの体積が倍になると仮定すると、半径として2^(1/3)=約1.26倍のみかけ上増加となる。表面積として(2^(1/3))^2=1.59倍のみかけの増加となる。この数字にはあまり意味が無い。数式を出せば信憑性が増すかもしれないと思ったのである。御批判があれば半分だけ受け付ける。

パット、シリコン、水の類いで反球体の体積を増加させた場合は、見破るのは難しい。半球体は殆ど脂肪で形成されているが、十分に発達させるためには土台となる筋肉がしっかりしていることが大切である。胸筋の発達程度と半球体の体積は相関している。胸筋を観察するのは困難であるので、関係が深い背筋の発達の程度を観察すれば、半球体が本物であるかどうか推測がつくが、この測定法は誤差および個人差が大きいので危険が伴う。

まるで狐と狸の化かし合いであるが、この場合狐は半分であるかどうかが論点となるであろう。個人的には体積および表面積が小さい半球体に惹かれる傾向があるので、この化かし合いには参戦していない。化かし合いに参戦している諸君の善戦を半分くらい祈るところのものである。 


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