一覧  トップ


145. 何かの故意シルブプレ 20130417


「何かの故意シルブプレ」(仏語:S'il vous plait. 依頼や忠告、命令の意図を示す)


Kのためなら女房も泣かす  (夏目漱石「こころ」)

それが  (夏目漱石「それから」)

どうした 文句があるか  (夏目漱石「私の個人主義」)





(セリフ)

好きおうて一緒になった仲やない

あんた遊びなはれ

酒も飲みなはれ

煙草も吸いなはれ

アヘンも吸いなはれ

脱法ドラッグ吸引しなはれ

マネーをロンダリングしなはれ

匿名掲示板で犯行予告しなはれ

雨の日のコンビニの入り口にある使い捨て傘カバーを使いもしないのに二枚とりなはれ

自宅に箸があるのに弁当に箸つけさせなはれ

エレベーターの降り際に階数ボタン全部押しなはれ

自転車無灯火で爆走しなはれ

押しボタン式横断歩道の聴覚障碍者用ボタンを押しなはれ

満員電車で後ろから押されても一旦下車などせず電車入口で踏ん張りなはれ

本屋で本棚から取り出した本を関係ない平積みの本の上に置きなはれ マクドナルドで君のスマイルをテイクアウトで注文しなはれ

生活保護を虚偽申請して不正受給をうけなはれ

何十社も落とされてナーバスになっている就職活動の学生に圧迫面接しなはれ

エスカレーターに右でもなく左でもなく立ち止まって、電車発車時刻がせまって焦っている後ろの人を焦らせなはれ

クール・ジャパンが来るー!と寒い駄洒落を言って周りを凍りつけさせた上に、寒いだろうクールだからな、とダメ押ししなはれ

安い賃金で休む間もなく働かせ脱落する労働者はどんどん切り捨てても、うちはブラックではないですよとうそぶきなはれ

初代スーパーヒーローのシンプルなデザインに不要なディテールを付与してどんどんダサくしなはれ

清少納言になりきって、うつろいいく物のあれこれをもののあはれ

昨日までの嵐が嘘のように雲一つなく透明な空気がどこまでも続いていっているような晴れ

後ろから来る人のために扉を押さえといているふりをして微妙に早いタイミングで手を放して、後ろの人が感謝すべきか舌打ちすべきか迷うようにしむけなはれ

OSをバージョンアップするたびに操作体系を大幅に変更して、ユーザーが操作法を習得するまで生産性を大幅に低下させなはれ

メールの文面を1ページだけ印刷するという簡単なことができないようにしたり、表計算ソフトの画面表示と印刷が一致しないように工夫して、ユーザーのイライラを増やすと共に紙を無駄に消費させ森林資源の減少を加速させることにより空気中の二酸化炭素濃度を濃くし、地球温暖化を進め人類の滅亡が少しでも早くなるようにしなはれ

地球上の生物にとって人間とは万物の霊長ではなく、他の生物を犠牲にして過剰な繁栄をしている悪魔なのではないかねと言いなはれ。

そんなことはない!俺は……俺はそれでも信じる!人間の良心と知恵を!と言わせなはれ。

主人公の最後の渾身の攻撃を受けなはれ。

滅びなはれ。

くっくっく、これで終わりだと思うな。私が死んでも第二第三の小悪党が何度でもあらわれるさと言いなはれ

高笑いしながら爆発しなはれ

<完>









文字が消え何も映っていない黒い画面に、ふたたびエコーの効いた高笑いを響かせなはれ

 


     一覧  トップ