45. はらたちまぎれ 030206


会議に出ろ? 書類を作れ? 講習会を聴講して来い? 同時に3つ可能な訳ないだろ。七つの話を同時に理解できる聖徳太子だって、物理的に無理じゃねえか。アインシュタインもびっくり。あっとおどろくシュレディンガー。脳に蛆が湧いてんのか、このぼけ。昨日は自分の失敗を俺の責任にしやがって。てめえ月夜の晩ばかりじゃねえからな。毎回毎回こっちで仕事すれば報告がないとか言って怒るくせに、報告すればしたで判断能力が無いから「待て」の指示しかしねえじゃねえか。こちとら根が正直者だから素直に待ってればすっかりその半分スが入った脳みそからは羽が生えたように案件が飛んでいってしまってピ〜ヨピヨ。思い切り放置している間に事態が収集つかなくなってから俺に丸投げで押し付けやがってよう。手前の指示に従うくらいなら八甲田山死の行軍の後ろからついていく方がましってもんだ。あ〜もう、やってらんねえなあ。一服でもするか。心許ない残りは二本。てめえがいると能率が10倍低下するだよ。かんべんしてけれ、お代官様。それは種モミでごぜえやすだ。それに仕事量が半端じゃないんだからこの人員(俺だけ)でその期間では出来ないって前々から言ってるだろ。よそさまが二十人でやっているのがどうして一人で出来ると考えるか。根拠を述べよ(20点)。出来なくてもいいと思ってるから人を増やさないんだろ。そうなんだな。じゃあ、ちゃんとやるのはやめた。ああ、やめたとも。こんりんざいやらねえからな。「どうして出来ないのか理解できない。」だと? じゃあ、てめえが一個でもやってみてから言いやがれ。この前簡単な仕事をやらせたら途中で出来ないと言って放り出したのをもう忘れたか。いやさお富、いくらしらをきってもこの桜吹雪を忘れたとは言わせねえ。それでもわからないというのなら体でわからせてやろうか。ほ〜れほれ。打ち首獄門の上遠島を申し付ける。御奉行さま、恐れながら申し上げ奉りますが、獄門で死んでしまった罪人を遠島に流したところで意味がないのでは、と。うぬ、よく申してくれた。礼を申すぞ。褒美に貴様は磔の上江戸払いの刑じゃ。そんな殺生な。うむ、涙と足であたかも生きているようなネズミを描くが良かろう。御奉行さま、恐れながら申し上げ奉りますが、それは雪舟(略)。うむ、よく申してくれた。礼を申すぞ。褒美に貴様は打ち首の上、磔(略)。まったくよう。全然仕事しない上司だけで腹いっぱいなのに、さらに今度は部下を落とし入れる上司かよう。もう満腹だよう。人増えたから仕事進むだろうだって? 仕事できない奴をいくら増やしたって能率上がるわけないだろう。マイナスにマイナスを加えてもマイナスだ。単純な算術の問題だよ。ワトソン君。しかしホームズ君、マイナスにマイナスを乗じたらプラスではないか。なんと、いやに今日は冴えてるな、ワトソン君。味の素でも舐めたかね。誉めてつかわす。褒美として鋸引きの上遠島じゃ。そんな御無体な。なにか申すことはあるか。いえ、特にはありませんが、きがむいたらあるじゃーのんのおはかにおはなをあげてください。


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