ヒロハフウリンホオズキ

ヒロハフウリンホオズキは近年、日本のあちこちで目に付くようになった熱帯アメリカ原産の帰化種である。
ホオズキの名は付いているが日本原産のホオズキとは花も実も少し異なる。
日本のホオズキは薬用、食用、鑑賞用に古くから栽培され、現代でもホオズキ市が開かれ、お盆のお供えには欠かせない花であり、その赤い実から鬼灯(ホオズキ)とも書き、芭蕉の句 「鬼灯は 実も葉も殻も 紅葉也」 と俳句や和歌にも詠まれてきた。
一方、ヒロハフウリンホオズキの実は赤くならず、花もホオズキの白色に対し黄色であり、栽培されることも無く、むしろ公害雑草になっている。

ホウズキの花と葉と実

ヒロハフウリンホオズキの花と葉と実

ただ多少の違いはあっても両者共ナス科ホオズキ属の特徴である果実を包む袋状のガク 「宿存ガク」 を持っている。 花が終わるとガクが成長し、袋状に包み込んで種子を保護するという植物の戦略である。 従って、両者共繁殖力旺盛で、あちこちで野生化しているのが見られる。
ヒロハフウリンホオズキ(広葉風鈴酸漿)の名の由来はホオズキに似て葉が広く風鈴のように実が下がることから来ているが、ホオズキの名については子供達がこの実の内部の種を取り除き、皮だけにして口に含み、鳴らして遊び、その頬の形から 「頬突き」 となったと言う名の由来説と、ホオと言うカメムシの一種がよく付くから等の説があり、はっきりしない。

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