コバンソウとヒメコバンソウ

コバンソウはその独特な形と、しばしば群生するので目に付く植物(花?)である。
花のように目立つのは小穂(しょうすい)で、花はイネ科独特の小さな花を小穂の先に付けるが、ほとんど目立たない。
その小穂の形と色合いを小判に見立ててコバンソウと名付けられ、又、 別名をタワラムギ(俵麦)とも呼ばれるが、これも小穂を俵に見立てたものである。地方によってはキツネノチョウチン(狐の提灯)と可愛らしい名前で呼ぶ所も有る。
欧州原産の帰化植物で、明治時代に観賞用として渡来したが、そのたくましい繁殖力で全国に野草として広がり、この地方の散歩道の途中にもあちこちで見られるが、特に海岸沿岸の地方では一面に群生しているのが見られる。
春に緑色の小穂を付けるが、だんだんと茶褐色に変わり、晩春から夏にかけてまさに小判がぶら下がっているように見える。

コバンソウ

ヒメコバンソウ

この仲間のヒメコバンソウも帰化しており、コバンソウより小穂が小さいのでヒメコバンソウと呼ばれるが、むしろ、小判と言うより 「おにぎり」 の形をしており、別名のスズガヤ(鈴萱)の名の方が似合いである。
コバンソウもヒメコバンソウもすっかり野草化してしまったが、今でもドライフラワ−等で使われ、一応花として認められるイネ科の植物である。

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