3.老化のサイン
 この頃のノアローは大変元気で毛艶も良く、これまで悩んでいた皮膚のトラブルもなく、大きな心配事のない生活を送っています。

 振り返ってみると、甲状腺機能低下症を診断された時、正直言って、ノアローの老化を受け入れることが出来ませんでした。ですので、先生の仰ることもきちんと理解していなかったと思います。

 あの時、愚かにも私たちは、甲状腺機能低下症を何かの間違い、一過性の物のように捕らえていて、薬を服用後しばらくして改善が見られたので、薬がなくなっても数日間そのままにして、その状態で血液検査を受けさせたのです。

 「薬がきっかけで甲状腺が元通りになって、自力で回復したんだね!」
 そんな風になることを期待していたと思います。

 しかし、結果は・・・。薬が切れていた分悪いものでした。

 そこで初めて甲状腺機能低下症には一生ホルモン製剤の服用が必要なんだ、と納得出来たということです。

 ですが、本当にノアローの老化と現実として向き合わざるを得なくなったのは、去年の夏にノアローが腰痛で動けなくなり、その後、続けて白内障の診断を受けた時だったと思います。

 その時は、ノアローの余命宣告を受けたかのような苦しみを味わい、愛犬を亡くした人のように嘆き、泣き暮らしました。それを見て、可哀想に・・・、ノアローは、自分は不治の病に罹ったと思ったかもしれません・・・。

 「今からそんなことでどうする!死んでから悲しめ。死んだら悲しむことしか出来ないんだから」と夫に強く叱責され、

 苦しみながら藁にも縋る思いでカタログを読み、サプリメントを注文し、それをノアローに与えて・・・となったわけですが、今の状態の良いノアローと、去年の老化が目に見えてきたノアローとを比べてみたときに、

 「もしも、ノアローの腰痛が出ていなくて、甲状腺のお薬だけでサプリメントでケアを始めていなかったらどうなっていたのかな?」と思わざるを得ません。

 ノアローが腰痛で動けなくなったことは、重大な見逃してはならない老化のサインだったと思います。その後、白内障、気管支炎、膿皮症悪化と続き、ノアローの活力指数が底をついていた時期だったのかもしれません。

 ノアローの老化が少しずつ出てきた頃というのは、自分たちの身の回りのことで忙しく、ノアローのことにまで手が回らなかった時期でもあります。

 うちの子は元気だから大丈夫。尻尾を振っているから大丈夫。食べるから大丈夫。と、心配を打ち消す理由は幾らでもあります。

 愛犬の少しの変調(変化)に気付くかどうかって、実はすれすれのところにある話なんですよね。気付くときには気付くが、気付かないときには気付かない。

 その子の持っている運命も関係しているのかもしれない。

 もしかしたら、結果的には、何もしなくても大差ないとか、何かしても不治の病に罹ってしまったら何もかも水泡に帰すとか、そういうこともあるかもしれませんが、人間の認知症もそうですが、早めに気付いてあげることで、少しでも病気の発症を遅らせたり、老化のスピードを鈍らせることがあるんじゃないかと思っています。

 生きとし生けるものはやがて老いを迎え、病に倒れ死んでいくことが運命だとしても、何もせず、それを黙って見ていることは出来ません。

 ノアローの老化ショック(悲しみのどん底)から立ち直るのに、一週間くらい掛かりました。参考まで。


 2007年5月12日

すこやかネンネ。

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