Drina Ballerina

子どもの頃大好きだったドリーナ・バレエシリーズ
大人になった今、日本では出版されなかった11巻を英語で読んでみます。英語の本=挫折する。。。のパターンを防ぐため、ここに読んだ内容を書いていくことにしました。
私には翻訳する能力も権利もありません。これは読みながら私の中に現れた心象風景です。

Book One A member of the Company
たぶんこんな内容 感想
Dancing for Jenny前半 ドリーナ、ウィラーバリの駅に到着。ドリーナがウィラーバリを離れて6年、ドミニクカンパニーに入ってから10ヶ月。駅もすっかり様子が変わっている。10月のねっとりした暑い日。ドリーナは緋色の上着にスマートな週末鞄、輝く黒い髪、大きなダークアイ、透き通る白い肌という姿。タクシーを拾って思いにふけりながら郊外のジェニーの農場へ。ジェニーはロバートと結婚し、生まれて1ヶ月の赤ちゃんがいる。赤ちゃんの名前はマリー・アンドリーナ(マリー・アン)。農場には猫のエスメラルダもいる。ジェニーの家は古い農家を改装して新しい設備を入れ、快適にしてある。ドリーナとロバートには共通点がない。 10巻の後半でドミニクのピンチヒッターに入ってから10ヶ月後?ジェニーはまだ18歳で早い結婚だけど、不幸な時期があったから、幸せそうでよかった。(12.3.22)
Dancing for Jenny後半 部屋に落ち着いて物思うドリーナ。ジェニーの家は素敵でロバートはお金持ちだけれどもジェニーはこの農場にあと50年も住むのだ!ドリーナは赤ちゃんより何よりダンスが大事だと思う。食事の後、ロバートが村のパブのダーツ大会に出かけた後は暗くなりかけた部屋に快適に座ってガールズトーク。ドリーナの恋人はグラント。ジャスパーはグラントが現れた後消えた。イゴール・ドミニクは月に一度はアタックしてくるがドリーナの評価はとっても低い。グラントからは何度もプロポーズされているが、ドリーナはダンスが大事だし、結婚前にダンスでなにものかになりたい。休暇の残りは果樹園でリンゴや梨をとったり、ミルク絞りを見物したり。ジェニーは運転免許を取ってもうすぐ自分専用の車を買ってもらうし、コンピューターを使って農場の仕事をする。手伝いに来てくれる女の子もいる。ロンドンに帰る前、ロバートがジェニーとドリーナを二人きりにしてくれて、ドリーナはジェニーのために果樹園で踊る。 イゴール、えらい言われよう・・・。
果樹園でドリーナが踊るシーンが美しくて、私も英語を勉強して良かったなあと心から思いました。
ジェニーはなかなかたくましく生きている様子。不本意だった勉強も役に立てていてよかったです。(12.3.23)
Drina and Grant前半 ロンドンに戻ったドリーナをグラントが駅まで迎えに来る。ドリーナとグラントはこの数ヶ月間、理解を深めてきた。二人はドリーナの家のキッチンでチーズオムレツとサラダを作って晩御飯。おじいさんたちはコンサートに出かけている。ドリーナがチーズオムレツをグラントに手渡そうとしたとき、グラントが衝動的にプロポーズ、熱い皿を直接触って痛みに混乱。普段だったら断るドリーナが思わず承諾、ただし6ヶ月は婚約期間を持つことを条件にする。4月に結婚しよう!と大喜びのグラント。一人になり、帰ってきた祖父母に婚約を報告。おじいさんは理解があるが、おばあさんはドリーナをまだ子どもだと思っていて、婚約と結婚は違うとかイゴールのほうがよかったとか家事を学ばなくてはなどと言っている。 いきなり婚約!まだ18歳前なのに!いいのかドリーナ!
おじいさんたちが深夜に話をするときのお茶とビスケットは健在。(12.3.26)
Drina and Grant後半
Rose and Igor前半
部屋に戻ったドリーナは突然アラベスクのポーズを決めたり、希望にあふれて眠る。残ったチェスター夫妻はまだ話している。おばあさんはドリーナは何も諦めないだろうと言う、ドリーナの母のベッツィーのように。
翌朝は寒く、雨の中、ドリーナは地下鉄でドミニクの練習へ。ランチの後はグラントとエンゲージリングを見にいく予定だが、今のドリーナには練習が最も重要。
ドリーナが急いで着替え室に行く。友だちのローズ、イロンカ、ジュディス、テルザが既に来ている。ローズはアールスコートの実家を出てジュディスとルームシェアしてから健康面も向上。
彼女たちの後を追ってリハーサル室へ行く途中、廊下でイゴール・ドミニクに捕まる。最初はニュースがある、などと思わせぶりだったけど、すぐに真面目な顔して「自分のことをちゃんと相手にしてくれ!」という困った態度に(周囲はもうすぐクラスが始まる急げ急げ、という緊迫した状況)。ドリーナは婚約したことを言って立ち去り、イゴールはショックを受ける。その様子を見ていたマリアンヌ・ボロネーズ先生がイゴールを慰める。練習の後、ボロネーズ先生はドリーナを呼び止めて婚約について聞く。ドリーナは婚約は記者発表しないし、6ヶ月後だし(ドリーナにとって6ヶ月後は遠い未来)、グラントは無期限でロンドンにいるのだと話す。
ロンドンの街やバレエの練習前後の描写が翻訳文で親しんできたドリーナの世界そのもので、読むのが非常に楽しい。ボロネーズ先生は相変わらずエレガント。イゴールにno one but you、と言われてドリーナが笑って他にもいるでしょ、と返すとJust for amusement.と言うイゴール。ひどいよイゴール、ドリーナに相手にされないわけだよ・・・(12.3.27)
Rose and Igor後半 練習の後のコーヒータイム、ドリーナはローズに婚約のことを話す。ローズは「寂しい王女」再演の噂を話す。今では友だちになったクイーンも噂に参加する。
雨は上がり、ドリーナはグラントの会社へ。指輪を買う。店員にドリーナはアイボリーの娘だと気づかれてしまい、ドリーナは記者に話されないことを願う。
夕方、劇場へ向かうドリーナ。夕日が輝き、ドリーナは激しい喜びを感じる。ロンドンにいること、ダンサーであること、観客でいっぱいの劇場に出ること。
ドレスルームにつくと婚約を知った仲間たちからお祝いを言われるが、ローズの態度は硬い。ドリーナに怒っている。イゴールがローズを食事に誘い、ドリーナとグラントが婚約したから自分たちはcleaveするべきだと言ったという(ローズは断った)。イゴールもドリーナも地獄に堕ちろ、と。週末、話を聞いたローズのお母さんは馬鹿なことを、と言う。笑って一緒に行け。彼はすぐに黒髪の魔女のことは忘れるだろう。
ドリーナたちも学生達から憧れられる立場に。クイーンはマーク・プレイフォードと接近中。みんな大人になったね。
ドリーナの傘は緋色。緋色好きなのか。指輪はたぶんエメラルド。
グラントは裕福でドリーナは今後もお金の心配はしなくていいみたい。とことん恵まれた娘だ。
イゴールのことを好きだったローズはお気の毒・・・。cleaveの意味がうまくとれないんだけれども。ローズもボロネーズ先生も、ドリーナとイゴールはダンスパートナーになるだろうと考えています。(12.3.28)
Mr Dominick Makes an Offer 前半 水曜日、ドミニクの次の公演について発表がある。キャストが掲示板に張り出され、みんな押し合いながらそれを見る。喜んだりがっかりしたり。ドリーナは新しい役がつかなかったのでがっかりだし、思わせぶりなイゴールの発言も気になる。月曜日以来ローズからは離れている。クイーンはついにドリーナより良い役を取った。ドリーナはアデル・ホワイトウェイのフラットにランチに招かれる。ホワイトウェイさんはドリーナが元気がないのに気がつき、ドリーナはローズとイゴールの話、役のことを話す。 発表の様子が面白い。クイーンはローズと代役だから、ローズもドリーナより良い役?ホワイトウェイさんに見せた指輪はやっぱりエメラルド。ホワイトウェイさんもイゴールはドリーナのダンスパートナーになると考えている。結婚前にバレエで何とかなりたいドリーナは焦り気味。(12.3.29)
Mr Dominick Makes an Offer後半 ホワイトウェイさんはドリーナに新しいバレエのセットを見せてくれ、秘密だと言ってテルザにチャンスがあることを教えてくれる。ドリーナはテルザのために喜ぶ。しかしまだイゴールのほのめかしにこだわるドリーナ。ホワイトウェイさんは知らないが、3つ目のバレエがあることを思い出させる。ドリーナは元気になって帰る。
金曜日、「寂しい王女」の最初のリハーサルの後、ドリーナはドミニク氏のオフィスに呼ばれる。ローズはドリーナを避けている。ドミニク氏のオフィスに行くとボロネーズ先生もいた。ドミニク氏は3つ目のバレエに「ニューヨークラプソディ」を提案する。「ニューヨークラプソディ」はドリーナがスイスの寄宿学校にいたとき音楽以外の全てを作り上げたバレエ。上演をボロネーズ先生が見に来ていた。ドリーナは全ての資料をロンドンに持って帰ってきており、このプランは進むことになった。セットはホワイトウェイさん。最後に、ドリーナは少女役を、イゴールが相手役で出演することも分かる。
ドリーナの特別扱い最高潮!一学生が振り付けたバレエをプロのバレエ団が上演する。すごい話だー。同級生達はソロがつくかつかないかでやきもきしているのに、いきなり主役〜。
場面の転換が少ないせいか、すらすら読めました。(12.4.2)
A Miracle and Some Problems前半 ドミニク氏のオフィスでの続き。興奮して、でも「アイボリーの娘だから」と言われることを心配するドリーナ。ドミニク氏はドリーナに、自分自身としての力を証明してみせるしかないという。自分の息子であるイゴールと同様に。ドリーナは心の中で、イゴールと踊ることはローズとの関係に良くないと思う。もう一人のパートナーはジャン・ウィリアムズかマーク・プレイフォード。ドリーナはクイーンとの関係を心配してジャンを提案。
話している内にドリーナは次のリハーサルに遅刻。まだ他の人には言ってはいけない。「ニューヨークラプソディ」の資料を家から持ってくるため、ドリーナはリハーサルが終わったらすぐに帰宅。ドリーナは今回のことを奇跡だと思うが、えこひいきだと嫉妬されることや批評家に批判されることを思って心配でいっぱい。チェスター夫人はそんなドリーナの話を聞き、昼食を食べさせ、意見を述べる。いつもは同情的でないチェスター婦人だが、ドリーナにベッツィーの話をして元気づける。
ドリーナは部屋で資料を探し出し、「ニューヨークラプソディ」について回想する。
ドリーナの初恋は、結構長いこと片思いだった気がしていたけど、出会いはまだたった3年前か〜。
16歳のときに振り付け含め一つの作品を作り上げたドリーナはやっぱりすごいかも。友人たちの反応は私も心配です。(12.4.4)
A Miracle and Some Problems後半 ドリーナは学校に戻り、ドミニク氏のオフィスに向かう途中でテルザとイロンカのグループに会う。新しいチャンスのことを聞いて二人とも喜んでいる。イロンカはテルザのバックで踊ることになった。
ドミニク氏のオフィスでは、「ニューヨークラプソディ」の資料を見せたり契約書の話をしたり。次のプログラムではドリーナ・アダムスではなく本名のアンドリーナ・アダモの名前で出ることになった。
土曜日、ドリーナはマチネと夜の両方の公演で踊った。胡桃割り人形。マチネの前にイゴールから「ローズが一緒に出かけてくれないし口も聞いてくれない。ローズに何か言ってくれ」と頼まれる。ローズの気持ちに全く気がつかないイゴールにあきれながら、ドリーナは自分もローズに口をきいてもらえないと言って断る。その後更衣室で遅れてきたローズとテーブルが同じになり、我慢できなくなったドリーナはローズに訴えかけ、仲直りする。しかしドリーナはイゴールと踊ることがローズを喜ばせないのではないかと気がかり。ローズはドリーナとイゴールが踊ることは察していたし、パートナーになるだろうと予言する。
いつも味方のローズも、ドリーナの幸運を羨ましく思うことはある。大人になった今読むと、ドリーナは全く恵まれすぎていて、嫉妬せずにいられないクイーンのほうが当たり前なのではないかと思います。でも魅力的な友人を素直に好きになる友情もよく分かるよ。(12.4.6)
A Ballet Growing前半 日曜日は天気が良く、ドリーナとイゴールは郊外にドライブに出かける。冬の前の最後の太陽を浴びて気分転換。静かなランチの後、話をする二人。ドリーナがチャンスを掴んだことや、ドリーナの母のアイボリーのパートナーについて。グラントもドリーナとイゴールがパートナーになるだろうと思っている。グラントはイゴールを好きではないが、偉大なバレリーナになる少女と結婚する以上気持ちをコントロールしなければならない。 バレエダンサーの恋愛はめんどくさいね!ダンスパートナーと恋愛するのが一番問題なさそうです。グラントがイゴールをどう思っているかが初めて明かされて、面白いです。しばしばとんでもない服装をしている、だって。イゴールは最初からグラントを邪魔者扱いしてましたが。
そして郊外の風景が美しく描かれているところが、ドリーナ・バレエシリーズの魅力の一つだと思います。(12.4.10
A Ballet Growing中盤 火曜日、「ニューヨークラプソディ」について公表される。主要キャストのジャン・ウィリアムズは喜んだ。バレエ団のスターダンサー達は祝ってくれた。イロンカは喜び、クイーンはショックで黙り込んだがドリーナとの友情のために「おめでとう」と言った。ドリーナとつき合いのない群舞のひとたちはよくは言わなかったが、ドリーナは耳をふさいだ。自分で自分の力を証明するしかない。
イゴールはドリーナより人気がないが、マーク・プレイフォードはイゴールをかばう。イゴールはドリーナを失うし、ローズにはまだ無視されていて幸せでない。
ローズのルームメイトのジュディスは夜、ローズに素直になってイゴールと付き合えと励ます。他の女の子にとられてしまうかもしれない。ローズはイゴールに惹かれていることを認めるがデートにはうんと言わない。
クイーンが大人になった・・・!
マーク・プレイフォードはクイーンやイゴール、癖のある人ともつきあえるいい人なんだろうな。クイーンに気を遣ったドリーナによって知らないところでチャンスを失ってるのに、気の毒だ・・・。
ローズがイゴールとの貧富の差を自覚してるのは分かったけど、それをポジティブに捉えてるのかネガティブなのかは私にはどうしても読み取れない。ここだけでなくて、全体的に細かいニュアンスが分からない〜。力不足がくやしいです。(12.4.12)
A Ballet Growing後半 他のバレエのリハーサルも進んでいる。ドリーナはドミニク氏やボロネーズ先生とニューヨークラプソディの計画を長時間話し合った。スイスでは全員女生徒で上演したため、男性パートを作り直す必要がある。小さいリハーサルにドリーナとイゴール、ジャン、ドミニク氏が集まった。ドミニク氏はたまに助言する程度。イゴールはダンスパートナーとしては素晴らしい。ドミニク氏の助言により、子ども達の役は学校の生徒から、インターナショナルな組み合わせで出演させることになった。2週間後、フルリハーサルをする頃には、ドリーナは怖れを忘れておおいに楽しんだ。バレエが完成していくのを見るのは素晴らしい。ホワイトウェイさんとは舞台装置やライトの話をする。
2回目の土曜日、ドミニクの劇場にオペラがかかり、ドリーナはグラントと見にいく。劇場にはローズがイゴール、ドミニク氏、ボロネーズ先生と来ていた。ドリーナはローズがイゴールを許したことを知って喜ぶ。ローズはクリーム色のドレスを着てとてもきれいだが、大物二人と同席して緊張している。
ドミニクにも日本人の学生がいることが分かりました!楠本きみえ、10歳だけど8歳に見えると言われています。(12.4.13)
New York Rhapsody 前半 11月、公演のポスターが貼られ、パンフレットなどの準備も出来た。ドリーナは、批評家全員に批判されたらと恐れるが、おばあさんは笑って否定する。舞台装置もできた。ドリーナの衣装はシンプルな、柔らかい白いドレス。舞台装置も出演者達の衣装もドリーナのデザインからできている。バレエもよくできている。イゴールもジャンも良いパートナー。新聞がアイボリーの娘(ドリーナ)のことを報じたので、ドリーナの興奮と怖れはさらに強まる。フラットの電話は鳴り続け、リポーターがドリーナを家でもドミニクでも捕まえようとした。ドリーナは全ての質問にできるだけ静かに冷静に答え、写真を撮らせたがテレビのインタビューは断った。 ドリーナ、興奮の日々。18歳にはなったのかならないのか、お誕生日前後のことらしいです。(12.5.7)
New York Rhapsody 中 自分が注目されているのはアイボリーの娘だからだ、とドリーナはグラントにこぼす。自分を証明しなければならない。グラントはドリーナは自分自身で成功するだろうと思っている。ボロネーズ先生もドリーナをなぐさめる。ドリーナは母の記憶があることを告白する。声と匂い。
「寂しい王女」のドレスリハーサルをドリーナは楽しんだ。ローズとの友情も復活している。ローズはイゴールと出かけるようになり、魅力を感じているが、イゴールを信じておらず、気持ちを隠している。
ドリーナの才能が本当だとしても、話題性とか、今回の大抜擢には偉大な母の影響が皆無でもないんじゃないだろうか、そんな記述はありませんけれども。でもまあ幸運も含めての才能ですよね。(12.5.8)
New York Rhapsody後半 ローズはニューヨークラプソディのドレスリハーサルを見て、ドリーナとイゴールのパートナーぶりに痛みを感じ、グラントはどう考えているか知りたいと思った。
ドミニクのバレエシーズンは「寂しい王女」で始まった。祖父母夫妻の会話、批評家のコリン・アンダーソンがドリーナを本に書きたがっている。おばあさんはドリーナのダンスを禁じてきた自分が悪役になると思って怒っている。
当日の朝、ジェニーから電話。ジェニーは赤ちゃんがいて来られないので、翌日の新聞の批評を買い集める予定。
劇場では昔なじみの守衛さんがカードと手紙の束を渡してくれ、小さな楽屋も用意されている。お母さんの形見のマスコット、ハンスルはドレステーブルの上。
先に上演された新作はすばらしく、ドリーナはテルザをうらやましく思う。休憩の後、ニューヨークラプソディの上演、魔法のような時間。グラントはボックス席で嫉妬を覚える。バレエは終わり、カーテンコールでドリーナはグラントに手を振る。
批評家達は、あら探しをする人もいたがおおむね好評。ドリーナもイゴールも「偉大な親の二世」だけでないことを証明した。
学生からプロになり、差がつき始める時期。飛び抜けて大きなチャンスを得るだけでなく、自分の好きな人とダンスパートナーになろうとしているドリーナを見つめるローズの気持ちは・・・?ローズだって主役を得て、イゴールと踊りたいよね・・・?
ダンス部分の描写はうっとりする感じで、読んでるだけで達成感。
ここまでで、BOOK ONE 完です。(12.5.9)
Book Two A Following Ivory
A Vision from the Past前 ドミニクのトップダンサー、ルネ・ランドールとピーター・バーノイズの会話。テルザとドリーナはルネに取って代わるかも、とルネは考えている。ピーター・バーノイズはまだそうは思っていないし、病気で引退した妻、キャサリン・コールビーが復帰の準備をしているという。彼らの娘、ペネロペも今度入学する。ルネはカナダに住む両親の近くへ移ることを検討していて、事態を歓迎する。
ドリーナはとても幸せ。ミラノのおばあさんもバレエを見に来た。グラントと食事をしているとき、グラントの両親から電話がかかってきた。ドリーナはグラントの父とは一度会っているが、母とは3年前以来会っていない。二人がロンドンに来ることにしたと聞いて喜ぶ。
ルネたちの会話は表現が難しかったのだけど、たぶんこんな感じ・・・。ドリーナは順風満々。そういえばコールビーが引退するとき,ドリーナは死んじゃうとか言ってたなあ。(12.5.10)
A Vision from the Past中 グラントの両親、ロシター夫妻がやってきた。ドリーナはロシター夫人に気に入られるか心配。グラントもお父さんのときほど確信を持っていない。おばあさんは、グラントの両親をフラットに招待した。ニューヨークで招待してもらったときのお返し。おばあさんもドリーナも少し神経質になっている。ロシター夫人はグラント達にクリスマスには帰れと言うが、グラントとドリーナには既に計画があったため断った。ハネムーンには帰ることを約束する。ロシター夫人はドリーナと二人だけのとき、赤ちゃんを持つことをほのめかす。 嫁姑で神経質になるのに国籍はないのね。
ところで、前回更新からの間にニューヨークに行ってきました。アップタウンに滞在したので、たぶん、ロシター夫妻のアパートのご近所です。(12.5.31)
A Vision from the Past中 ドリーナは飛び上がって、当分家族を増やすつもりは無いと答えたが気分は重い。ロシター夫人はドリーナの舞台と観客の反応を見て、また、ドミニク氏にもてなしてもらって感動した。義理の娘が有名人であるのは悪くない。しかしホテルに戻った後で、結婚したらダンサーを長くは続けられないと言う。ドリーナは落ち着くべきだ。ロシター夫人は成功したビジネスマンの妻であることにとても満足している。女性の権利として、結婚前に仕事を持つのはいいと思っているし彼女自身成功していた。今は楽しみやいくつかのコミュニティとのつき合いで忙しい。彼女はグラントにも言ったがグラントは笑ってはぐらかした。 うーん、一見友好的に見えてやっかいなお姑さんかも・・・。ところで、ロシター夫妻が泊まっているホテルはサボイ。イタリアのおばあさんが泊まっていたのはリッツ。やっぱりお金持ち階級だなあ。(12.6.5)
A Vision from the Past中 クリスマスはあっという間に来て、トラファルガー広場のツリーが点灯し、ドミニクは毎晩熱狂的な観客の前で踊った。カンパニーの緊張も緩んできて、人々はドリーナとイゴールに好意的(最も不快なことを言っていた人たちでさえ)。ローズは明らかに幸せそうで、イゴールとの関係も固まったように見えた。しかしイゴールはドリーナを諦めておらず、ちょっかいを出しては拒否されている。
TVで「ブルターニュの花嫁」が放映されることを知ったドリーナは興奮しておばあさんと話す。ドリーナの母のアイボリーの最も有名な役で、死ぬ数時間前に踊った役。映画はそれを記録したもので、ドリーナは13歳のときに一度リバイバルを見たことがある。特別な体験だった。
デイリーメールの記者が映画の放映についてインタビューに来て、ドリーナはニューヨークラプソディの写真と共に記事になる。記事には、「ブルターニュの花嫁」はアイボリーの死以来、不吉とされて上演されてこなかったけれども、また見ることができるかもしれないと書いてあった。グラントはこれはドリーナのことではないかと言うが、ドリーナはそんなことはないと言う。自分も少しは成功するかもしれないが、まだまだ時間がかかる。
「ブルターニュの花嫁」を演じることはドリーナの夢だったはず。いよいよかな・・・。劇団の人たちも二世タレントのイゴールとドリーナを認めてくれたようでよかった。実績を残せたということですね。(12.6.18)
A Vision from the Pas後 クリスマスの朝は天気が良く、ドリーナとイゴールはケンウッドに出かけてハムステッドヒースを歩き回った。幸せそうな様子。午後はチェスター家のフラットでディナー、グラントもくつろいでいる。次の日はグラントがドリーナをチェルシーの友人のところへ連れて行った。翌週は素早く過ぎ、「ブルターニュの花嫁」の放送日になった。ドリーナはグラントの家で見た。「ブルターニュの花嫁」の説明。ドリーナは全存在で夢中になり、終わりには泣く。グラントはアイボリーにドリーナの面影を見て、ドリーナは確かにアイボリーの娘であると思った。 「ブルターニュの花嫁」ってアンハッピーエンド・・・婿が亡くなって終わり?このストーリーは前にも出てたっけ?(12.6.23)
The Dominick Decides前 ドミニク氏とボロネーズ先生はドミニク氏のフラットで「ブルターニュの花嫁」を見ようとしている。ドミニク氏は今までにボロネーズ先生に何度もプロポーズしているが、ボロネーズ先生は縛られたくないと言って断り続けている。ボロネーズ先生は若い頃にフランス人と結婚して離婚した。「ブルターニュの花嫁」とアイボリーの死は2人にとっても辛い思い出。ドミニク氏は「ブルターニュの花嫁」の権利を持ち、TV放映を断り続けてきたが、機が熟したと考えている。イゴールは自分の部屋で見ている。放映が始まった。アイボリーは素晴らしいダンサー。そしてドリーナはアイボリーと似ていることがはっきりしてきた。放映が終わり、2人はアイボリーが亡くなった夜について、そしてドリーナに「ブルターニュの花嫁」を踊らせること、ドリーナのパートナーを誰にするかについて話す。 ドミニク氏とボロネーズ先生ってそうだったのか!そして突然のTV放映にもちゃんと思惑はあったのね。そりゃそうよね。「ブルターニュの花嫁」は不吉な作品とされているので、上演までには難しいこともありそうです。(12.6.25)
The Dominick Decides中 1月ながら花屋には春の花があふれ初め、ドリーナもようやく結婚のことを真剣に考え始める。グラントと話し合いをして、おばあちゃんに報告するドリーナ。教会での結婚式はしない、親しい友人以外には秘密にする、ホテルでランチをした後ハネムーンでニューヨークに発つ。ドミニクは1ヶ月お休みする。ニューヨークへ飛行機を使うと聞いておばあちゃんはショックを受けるが、落ち着いて納得する。2人が住むフラットはまだ見つかっていない。 結婚式について、「生け贄の子羊のように花で飾られたくない」というドリーナ。分かる。舞台で飾られてるしね・・・。ロンドンは家賃が高いんだそうです。そりゃそうでしょう。(12.7.16)
The Dominick Decides中 日曜日、ドリーナとグラントはロンドンを回ってどの地域が良いかを話し合い、おじいさんとおばあさんのフラットから遠くないところに住むことに決めた。グラントはドリーナが結婚のことを現実的に話し始めたのが嬉しい。
一方、ドミニク氏とボロネーズさんは「ブルターニュの花嫁」のセットが保管してあるのを見にいったり。イゴールはまだ2人の動きに気が付いていないが、「ブルターニュの花嫁」を見ながら、いつか自分とドリーナで演じたいと強く願っていた。
月曜日、ドリーナがドミニク氏に結婚休暇を願い出るつもり&ドミニク氏達がドリーナに「ブルターニュの花嫁」をオファーするつもりの日。週末のことをおしゃべりしながら練習に向かう女の子達。クイーンはマークに両親を紹介されて幸せそう。ローズはイゴールと映画を見にいった。ドリーナはドミニク氏のアポをとるため、オフィスに向かう。
おばあさんが週に2回頼んでいる優秀な家政婦さんを、ドリーナもイゴールも自分たちにも必要と考えています。やはり金持ちだなー。それにしてもクイーンとマークが結婚・・・?!こども時代の関係からは考えられない〜(12.7.22)
The Dominick Decides後 練習の後、ドリーナは緋色のセーターを羽織ってドミニク氏のオフィスに向かった。深緑色のドレスをまとったボロネーズ先生もそこにいた。ドミニク氏はまずドリーナにコーヒーとビスケットを勧め、ドリーナは怪しみながらも食べて飲む。そして話を切り出そうとしたとき、ドミニク氏にさえぎられ、「ブルターニュの花嫁」でアイボリーが演じた役をやらないかと言われる。ショックをうけるドリーナ。すごいチャンス。しかしなんとか、自分の結婚と休暇についてドミニク氏に伝える。 ドリーナは本当に緋色が好きだなあ!
現実の現在、ドリーナの街ロンドンでオリンピック開催中。ドリーナたちが実在してたら、見てたかなあ。(12.8.11
Drina's Big Chance前 「ブルターニュの花嫁」は夢だが自分は若すぎる、早すぎるのではないかと心配するドリーナに、ドミニク氏はそう思わないと言う。オーロラ姫やジゼルを踊らせるわけではない。「ブルターニュの花嫁」は2月中旬くらいにしたい。ドリーナは何があっても4月に結婚するし事前に2週間、事後に2週間の休みももらうと主張するが、問題にされない。ドリーナは劇団の他の人たちがよく思わないとまた心配。ドミニク氏は問題にしない。パートナーはイゴール。ドミニク氏はさらに、秋にはボストンとニューヨークで公演するという。METでなんて踊れない、とひるむドリーナ。しかしオファーを受けることについて「祖父母やグラントに相談したいか?」と聞かれると「私は大人です!自分で決定します」と素早く反応する。しかしその場の3人とも、おばあさんがこの件を喜ばないだろうと分かっている。 ド新人なのに休みを主張するドリーナ、すごいなー。
「ブルターニュの花嫁」は伝説的作品だけど、難易度は高くないみたいですね。(12.8.18)
Drina's Big Chance中 ドリーナが去った後、残された二人はちょっと話し合う。ドリーナはゆっくりと戻り、更衣室にだれも残っていないように願う。早すぎるチャンスについて、まだ話したくない。
急に悲しくなる。学生時代は放課後、いつもローズとイロンカと一緒で嬉しいことは話していた。いまも友達だが、とても忙しい。そして公演の後や日曜日はグラントと会っている。
悲しみはすぐに去り、更衣室は無人だった。ドリーナは素早く着替えて外に出る。寒くて明るい朝。家に帰りながら、恐れや喜びについてまた悶々とするドリーナ。おばあさんのことを思う。また、グラントのこともある。結婚直前の大仕事を聞いて大喜びしないかもしれない。ドリーナを支持してくれるだろうが、グラントも人間だし既にたくさん我慢している。ドリーナはグラントには電話で話そうと決める。静かな時間まで待とう。
家に入る。おばあさんは美容室の予約があったが、戻っていた。おじいさんも家にいて、快適にTIMESを読んでいる。ドリーナは朝のことが遠い昔に思えた。
久しぶりすぎてなかなか読解できない・・・。
チャンスをもらっても単純に大喜びできない。おとなはめんどくさいね。グラントと結婚してる場合じゃないんじゃないのー?(13.6.22)
Drina's Big Chance中 ドリーナはおじいさんとおばあさんに話す。最初は憤慨して、最後にはわかってくれるおばあさん。いつかこの日が来ると予想していたおじいさん。おばあさんも映画の放映を見ていた。ドリーナはベッツィーに似ている。しかし第二のアイボリーではなく、アンドリーナ・アダモになるだろう。おばあさんは家庭との両立も心配。
三日後、「眠りの森の美女」のキャストが発表される。ローズはライラックの妖精の役がついて喜ぶが、ドリーナ、クイーン、マークの役がないのに気が付く。イロンカはクリスタルの泉の妖精。ジャンは王子様の一人。ドリーナは黙っている。イゴールは「眠りの森の美女」と「ブルターニュの花嫁」の両方に出るが、ドリーナとクイーン、マークは「ブルターニュの花嫁」だけに出る。「ブルターニュの花嫁」のことを知らず不満なクイーンに絡まれる。
おじいさんおばあさんとのシーンは静かに感動的ですが、ドリーナのショルダーバッグは赤ということがわかりました。ドリーナはとことん赤が好きだなあ。
クイーンはまだドリーナに嫉妬している、と。そりゃあたりまえですよー。(13.7.15)
Drina's Big Chance後 クイーンをなだめるのにイゴールも加勢するが効果なし。イゴールにとっても「ブルターニュの花嫁」はチャンス。ドミニクの多くの人にとって、このニュースは予想されていなかったことで衝撃的だった。「ブルターニュの花嫁」は不吉だと考えられている。ドミニク氏はイゴールとドリーナが主役、マーク・プレイフォードとクイーンが友人たちのチーフ、キャストは少人数でで男女6人ずつの友人たち、ジョゼットのお母さん、結婚式の司祭のみであること、リハーサルの時期と公演予定を発表。団員からの、不吉であるという反応も少しあったがドミニク氏がかわす。ニュース発表されることになった。 成長したとはいえクイーンはクイーン。そして「ブルターニュの花嫁」は若手ダンサーにとってのチャンスだね。(13.7.28)
Lucky or Unlucky?前 ドリーナはドミニク氏を走って追いかける。今発表しなくてはいけないか?ドミニク氏は、発表しなくても2,3日のうちには漏れるだろうと話す。恐いか?ドリーナは緊張して足が震えている。嫉妬や悪口があるのを知っている。うまくやれるだろう、とドリーナは答え、ドミニク氏は励ます。TVでインタビューされるときには彼も行く。
ドリーナは帰って祖父母にニュース発表されることを話す。おばあさんは、悲劇的な顔をするな、今までにも生き延びてきたと励ます。ドミニク氏はドリーナのために発表を夕刊には間に合わない、遅い時間にした。翌朝、ドリーナはラジオのニュースで聞いた。
ドリーナでも恐いことはあるんだな・・・。テルザとジュディスは祝福してくれたそうです。(13.8.4)
Lucky or Unlucky?中 全ての新聞が報じ、デイリーメールは一面にアイボリーとドリーナの写真を載せた。朝食が終わるころ電話が鳴り始め、チェスター氏は電話のそばに大きな枕とメモを準備して対応。ドリーナは3時には家にいて質問と写真撮影に応じるだろう。ドリーナが練習に出かけるころには、BBCがドリーナを夜7時のショウに出演依頼してきた。チェスター氏はこれはドリーナに変わった。ドリーナは渋りながら承諾。チェスター氏は頼まれて、ジェニーにドリーナがショウに出ることを連絡。ジェニーはニュースを聞いていて、電話をもらったことを喜ぶ。結婚の予定は変わらないが、友人以外秘密であることも話す。電話の後、ジェニーは赤ちゃんのマリー・アンドリーナに話しかける。 アイボリーの娘にはやはりニュースバリューがあるようで、そりゃドミニクも公演させるよね。チェスター夫妻にとっては有名なバレリーナの娘を持つのは2回目だから慣れてる。ジェニーは自分の人生とドリーナのを比べてみたり。自身も幸せをつかんだとはいえ複雑かな?でも二人とも若いし、どっちがいいとも言えない、とおばさん読者になった今は思います。(13.8.10)
Lucky or Unlucky?中 ドミニクではレポーターが待っていた。ドリーナは練習があるし3時には家にいるから、と話す。回廊でコリン・アンバーダウン氏に会う。彼は暖かくドリーナを励ます。イゴールはレポーターについてドリーナをからかう、イゴールは気にしてない。ドリーナが夜のTVショウに出ることを話すと、イゴールは今晩はそのTVショウにアメリカの有名な映画女優、アンナ・マリア・ホックリーも出ることを教えてくれる。彼女は毒舌。ドリーナはウォーミングアップしながらダンスが好きだが静かな生活も好きだ、と考える。 騒動は続く。アンナ・マリア・ホックリーは何か関係してくるのかな?(13.8.16)
Lucky or Unlucky?中 記者会見は穏やかに済んだ。不吉さについて聞かれたが、ドリーナは自分は迷信深くないと答える。早めの食事のあと、グラントがドリーナをTV局に連れて行く。ドリーナは神経質になっていたがTV局のひとたちはいい感じ。アンナ・マリアの毒舌も一時休止、彼女はニューヨークでドリーナのバレエを観たことがあった。他のゲストはアフリカで業績をのこした作家と、緑の髪をしたミュージシャン。ドリーナの出番が一番先。グラントは待合室で感慨にふける。結婚がじゃまされたらどうしよう。インタビューの最後でキャスターがドリーナの結婚について触れる。ドリーナは笑って、今考えなければならないのはバレエだと答える。劇場に行くため、ドリーナの出番は終り。 グラントとの婚約について、TV局にはばれてる模様。もめなきゃいいけど。いや、そんなに急いで結婚することもないか・・・(13.8.17)
Lucky or Unlucky?中 チェスター夫妻はいっしょにインタビューを見た。チェスター夫人はドリーナをバレエから遠ざけておければよかったのに、と愚痴る。そうはできなかった思い出が甦る。
ウォーウィックシャーの雪に囲まれた農家では、ジェニーとロバートがインタビューを見た。ロバートはドリーナを遠く感じている。ジェニーはドリーナが20歳のように落ちついているし、宝石もつけていないのに輝いていると言う。ロバートはドリーナが婚約指輪を着けているべきだったというが、ジェニーは笑って否定。
ジェニーはドリーナの衣服はお金がかかってるに違いないといい、実際、そうだった。 ドリーナはいつも衣服に高額を使うがシンプルなものを好んだ。それは密かにローズを悩ませることのひとつだった。ドミニクの新入生だった時からローズは自らのお粗末さに深く傷ついていたし、今でも改善していない。フラットにお金がかかるし、母親にお金を渡している。ドリーナはすべての面でとても恵まれている。
TV出演でもドリーナは赤のプレーンセーター。やはり赤が好き!
ドリーナの恵まれっぷりにはさすがに作者も気が付いているようです。(13.8.25)
Lucky or Unlucky?後 時間がたつとドリーナは自分の幸運に確信が持てなくなってきた。「ブルターニュの花嫁」はリハーサルに入った。批評が心配。そして新居探しも難航。時間がない中たくさんのフラットをめぐるが、高すぎるか、いいところがない。ドリーナは開幕前に決めたい。
ある寒い土曜日の朝、おばあさんと買い物に出かけようとして近所の素敵な家にすむロナルド夫人に偶然会う。夫人は急いで自分の家を売ろうとしていた。ドリーナは大興奮でグラントに電話して、二人で夫人の家を訪問し、購入した。家具やファブリック付き。時間がないのでちょうどいい。家は快適で窓からは庭が見え、ドリーナのスタジオに使える小部屋もある。チェスター夫妻の家から近いので同じ家政婦さんも頼める。ドリーナは自分の幸運を信じる。
ドリーナがとことん幸運なのが、読者にとっても魅力だと思います。(13.9.7)
The Breton Wedding前 「ブルターニュの花嫁」の稽古は順調。クイーンの嫉妬深さも一時停止、クイーンは良い役をもらい、ダンサーとして成長している。ドミニク氏からも褒められた。クイーンはチェルシーの完璧だが不幸せな家に帰る。母親は愚痴るが、クイーンはベリル・バートリルは健康の問題がなくてもトップになれたなかっただろうと気が付いている。クイーンは独り言をいう。「私はドリーナ・アダムスにはなれない、でも多くの人よりは良い。私はそうなりたい。そしてもしドミニク氏が信じてくれるなら、私はやる」
「眠りの森の美女」のドレスリハーサル、ドリーナはクイーンと共に観客席に座って見ている。ルネ・ランドールの薔薇のアダージョで感動して泣く。ローズは美しい。イゴールがまたちょっかいをかけてくる。ドリーナは、イゴールとはダンスパートナーとして素晴らしいことが分かってきた。踊っているときは神秘的な理解がある。しかし音楽が止まったとたんに失われ、とてもいっしょに日常生活は送れない。
ドリーナはリハーサルの後、エンバンクメントに沿って歩きながらイロンカにいつまでダンスパートナーが続くか疑問に思うと話す。川は灰色で風は冷たく、木は裸で花壇は空、春の気配はない。ドリーナはキャサリン・コールビーが本当はルネとピーター・バーノイズをどう思っているかも気になる。
クイーンも報われそうです。よかったよかった。そしてグラントは、ドリーナとイゴールの仲を心配する必要はなさそう。(13.9.21)
The Breton Wedding中 ドミニク氏はドリーナを押すのが早すぎたかもしれない、罪悪感を感じるとマリアンヌ・ボロネーズに話すがボロネーズさんは心配していない。自分がもっと歳をとっていたらもっと批評を嫌がっていただろう。ドリーナは有名な舞台女優であり映画スターでもあるが、ダンスを選んでくれてよかった。
「ブルターニュの花嫁」のドレスリハーサル、ドミニク氏とボロネーズさんはサークルの正面で見ている。アイボリーの最後の舞台を思い出す。しかし出てきたのはドリーナとイゴール。もうすぐ結婚する、幸せにあふれた舞台。一幕が終わるとき、ボロネーズさんは残念に思う・・・と言いかけるが、ドミニク氏は制する。イゴールは利己的で傲慢、女の子は苦労するだろう。かわいそうなローズ。
舞台は進み、夫を失ったドリーナの最後のソロ。幕が降りたとき、ドリーナは本当に泣いていた。マークが言う、「すばらしかった!でも本当ではないよ」「わかってる、でも本当だと感じた。私はお母さんで、私で、ジョゼットで、役の中で一つだった」更衣室の近くでドリーナはドミニク氏に会い、どうだったか聞く。ドミニク氏はとてもよかったと答える。
大人たちにもいろんな心境がある。原文では「ブルターニュの花嫁」が丁寧に描写されていました。夫を失って悲しんで終り、ってストーリーとしてどうなの?(13.9.29)
The Breton Wedding後 ついにその日が来て、ドリーナはとても長く感じた。朝の新聞で「眠りの森の美女」の批評を読むことから始まった。批評はおおむね親切だった(ライラックの精をやったローズが名前を挙げられて褒められる)が、厳しいものもありドリーナは興奮。時間がゆっくりすぎ、最後にはドリーナはマスコットのハンスルと楽屋入り。チェスター夫妻とグラントはボックス席を断り、サークルの正面の席に。コリン・アンバーダウンさんが近くにいて、おばあさんとおしゃべり。おじいさんとグラントも思いがある。
照明が暗くなり、音楽が始まり、バレエが始まった。ドリーナは寒さと気分の悪さを感じていたが、始まるとバレエに没頭。一幕の終りには盛大な拍手があったが、まだ本物の興奮ではない。チェスター夫人は席を離れるのを断ったが、チェスター氏とグラントにはコーヒーを飲んでくることを勧めた。チェスター夫人がひとりのときに記者が近づいて質問をする。失礼にならない程度に対応。
終幕が進むと、魔法が生まれ始めた。観客は身動きせず、静寂。ドリーナは悲しみを表現し、グラントも感じた。観客の多くは泣いた。カーテンコール。客電がつき、オーケストラが離れても拍手はやまず、ついにドミニク氏がドリーナの隣に立ちあいさつした。カーテンがおりる。
いろいろ書かれていましたが、正直私の英語力では・・・。たくさんの人たちが、感情的になった夜。(13.10.14)
Flight前 朝が来た。BBCニュースは「ブルターニュの花嫁」とドリーナに好意的。それを聞いて起きてきたドリーナは大騒ぎして新聞の批評欄を読む。一番辛辣な批評家までが好意的で、ドリーナは床に座り新聞に囲まれながら喜ぶ。イゴールもまた賞賛を受け、マークとクイーニーもいくつか熱狂的な言及を受けた。全体的に賞賛を受け、みんな幸せ。ドミニク氏とボロネーズさんも安堵のため息をついた。大きな賭けだった。朝が終わるころには、秋にアメリカで公演することが決まった。 良かった良かった。初演日次の朝のおばあちゃんとのやり取りはもう恒例行事みたい。物語も終息に向かっています。(13.10.27)
Flight中 ニューヨークタイムスにも記事が載って、ロシター夫妻も喜んだ。ロシター氏はドリーナに電話をかけた。ドリーナはすでに沢山祝福の電話を受けていた。ドリーナはお礼を言って、結婚のことは秘密に保つように念押しする。ロシター夫妻は結婚式には来ず、二人はすぐにニューヨークに経つ予定。ロシター氏は約束する。ロシター夫人は納得していないが、夫に従う。ロシター氏の10分後には再びニューヨークから、ヨランダ・メイソンが電話をかけてくる。 ロシター夫人、お姑さんとなるとなかなかめんどくさそう。
そしてヨランダ!懐かしい!(13.11.4)
Flight中 数日後にはドリーナも未来のことを考えられるようになった。暖かな日曜日、ドリーナとグラントは公園で最初のラッパズイセンを見つける。クロッカスのじゅうたんで湖のそばは黄色と緑で素晴らしい。二人は春について話す。ニューヨークの春を楽しみにするドリーナ。その後は寒さが戻ってきておばあさんはドリーナの体を心配するが、ドリーナは元気でエネルギーに満ちている。公演は毎日満席で、4月までのチケットは売り切れた。グラントと二人、可能な限りの時間を使って新居を整える。ドリーナの好みはシンプルで家具も最低限。おばあさんと家政婦さんのホール夫人がドリーナを助ける。小さなスタジオも作られた。
秘密を知る人々はフラットを見に訪れ、うらやましがった。クイーニーとマークは1,2年のうちに結婚する予定だが、クイーニーは家を出て小さい部屋に住んでいる。ローズはドリーナの幸運に腹が立つのを隠すことが難しいことを発見した。ローズは結局イゴールを愛していたが、イゴールに翻弄されていたし自分と結婚する気はないだろうと思っていてジュディスに愚痴る。ジュディスも同意している。
かわいそうなローズ!グラントと結婚できれば経済的にはよくなるだろうけど、愛してるからこそ、傷つけられることもあるよね・・・
一方、ドリーナは幸せできっと趣味のよい生活。私もうらやましー!(13.11.10)
Flight中 ドリーナは親しい友人にも4月下旬としか結婚の日を教えていない。イロンカ、クイーン、ローズ、ジェニーを結婚式とその後の昼食に招待する計画。ドミニク氏とボロネーズさんを招待するかで悩む。おばあさんは、もちろん呼ぶべきだという。彼らはドリーナのお母さんの結婚にも出席した。 ドリーナのお父さんはカトリックだったけどお母さんは改宗しなかったので教会での式は挙げなかったのだそうです。そういうこともあるのね。
クイーンを結婚式に呼ぶ関係になるとは・・・時の流れを感じます。(13.12.1)
Flight中 ついに「ブルターニュの花嫁」が最終公演を終えた。しかし夏の短いヨーロッパツアーと9月のアメリカ公演での再演が決まっている。賞賛と花であふれ、チケットを取れなかった人々がステージドアに押しかけた。
結婚式に出席するためジェニーがやってきた。昼食会はおばあさんが、レストランがあるホテルにも結婚とは知らせずに準備した。
ドリーナはジーンズにセーターで結婚してもよかったが、グラントとその家族のために、美しいペールグレイのスカートとそれによく合うコーディロイで縁取りした上着、ローズピンクのブラウス、デリケートなペールグレイのハイヒール、柔らかい白いコートを着用。
ドリーナは冷静だったが登記事務所に行くとき夢心地になる。自分はバレリーナで、グラントと結婚しようとしている。人生はすばらしい。
結婚式は短く、シンプル。パーティも極秘の中、静かに行われた。スピーチはなし。ドリーナはレポーターに押し掛けてほしくないし、ケネディ空港に着いたときに待っているのはグラント家の人々だけであってほしい。しかしNYへのフライトで、機長がドリーナに気づき、フライトデッキに招待する。機長は乗客リストの名前から結婚に気づくが、ドリーナに口止めされる。
ついに結婚!おめでとう!でも初恋からのスピード婚でいいのかドリーナ。
ドリーナのウェディングドレス問題については周りの人の方がいろいろ感じている様子。
この物語もあとほんのちょっとで終りです。(13.12.8)
Flight後 グラントはついにドリーナを得た。グラントはドリーナの大半がバレエに占められていて自分はその世界の外にいることを知っている。だが自分のところに戻ってくるだろう。飛行機は無事、ケネディ空港に到着。ニューヨークは暖かい春の夕方。ドリーナは景色を眺める。翌朝、セントラルパークの湖のそばを歩きながらニューヨークについて、明日会いに行くヨランダについて話す二人。ヨランダはニューヨーク・シティ・バレエ団に入った。ドリーナは彼女は幸せだろうと言う。自分も幸せだ! めでたしめでたし。ついに物語は終わりました。基本的に幸せで、恵まれてて、感情豊かなドリーナ。自然や街の美しい描写。舞台を扱うワクワク感。多彩な展開。大好きな物語でした。
しかし、読むのにこーんなに時間をかけるとは思ってなかったなー!(13.12.15)
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