45-7:山口県 萩市 吉田松陰歴史館 



所在地: 山口県萩市椿東1537

取材時期:2009年5月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆(☆五個が最高得点)

特に吉田松陰さんに思い入れがあるわけでもなく、幕末の志士達を追って萩にきたわけでも無いが、この歴史館は蝋人形が凄いことになっている、と聞いたので取材してみた。松陰神社の境内にあるこの歴史館は、入館料500円を支払い館内へ。妙にレトロな内部に、まず子ども寅次郎(後の松陰先生)を先頭に家族全員で棒立ちとなるシーンから始まる。小さい子供が入ってきたら泣き出しそうな雰囲気である。その後、成長する連れ日本全国兵学の旅に出て、知識を仕入れて行く。

    

そしてこの萩に松下村塾を開き、幕末の志士達を教育して行くのだった。初めての教鞭は牢獄内だったというのも面白い。しかし、この蝋人形、いったい誰が造ったのだろうか?蝋人形といえばマダム・タッソーが有名であり、現在の日本では海外に作製依頼をだすのが普通らしいが、館内の雰囲気からすると相当前に造られた様なので国内製作品であろう、と思ってよく見ると
「この蝋人形は 作者が精魂込めて 制作したものです 非常に壊れやすいので 絶対に手を触れないでください」
とあるではないか。ということは素人さんの作品ってこと?それにしてはしっかりとした出来映えである。

   

話を松陰先生の生涯に戻すと、彼はなんと30歳であの安政の大獄で処刑されている。良く教科書等に出てくる肖像画をみると70歳を過ぎた老獪な大先生様の雰囲気を漂わせているが、実は二十代の若者なのであった。しかし展示されている蝋人形でもとても若者には見えない。投獄処刑される直前に何度も海外密航を企て、その都度失敗するという、冷静に見れば若気の至りとしか考えられないような行動をとっているのである。うーん、何れにしても松陰先生の生涯および不気味な蝋人形の両方を楽しめる素晴らしいヤカタなのであった。

  

このほか出口付近にある山口県出身の総理大臣蝋人形も必見!山口は総理大臣を多数輩出している県だったんですね。地元の政治家を蝋人形にしてしまうのは、確か高知は坂本龍馬歴史館でもあったな〜。あの安部晋太郎も山口出身で、総理になった暁にはすぐに展示できるようにすでに蝋人形が造ってあったとか・・。しかし総理になる前に他界。その後息子の晋三が晴れて総理大臣になるも、その後は皆さん承知の通り。当然彼の蝋人形は造られなかったのだろう。


この歴史館と似た名称で「吉田松陰記念館」というものある。萩〜山口間の萩有料道路、萩往還公園にある新しい記念館で、歴史館とは全くの別物。丁度有料道路を通ったので、こちらも寄ってみることにした。こちらもやはりマネキン(蝋人形)の展示があるが、新しいだけあってきれいで見やすい。展示は松下村塾内の再現のみなのでボリュームは歴史館の足下にも及ばない。やはりきちんと知るには「歴史館」をお勧めしたい。


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