29-5:岐阜県 下呂市 喫茶 五重塔

所在地:岐阜県下呂市小坂町落合19-1

取材時期:2005年9月

ジャンル:展示系

珍スポ度:☆☆☆☆ (☆五個が最高得点)

コメント:
「バカルト紀行」を読んでから、無性に訪ねてみたくなった場所が、ここ「喫茶・五重塔」です。今回の飛騨探索は、ここがメインの取材場所なので前出の「つちのこ館」より下呂温泉を通過し、小坂の湯屋温泉に向かった。バカルトによると夕方5時で営業終了とのことだったので、あまりのんびりしていられない。前日に電話によりアポをとっておいたので、明日に廻すわけにはいかないのだ。R41を北上して行くと小坂大橋で県道437に入るのだが、右折だとばかり思いこんでいたため、入り口を見失う。そう、ここは一旦左折して高架下をくぐり東に向かうのが正解だった。うーむ、少し時間をロスったな、などと思いMGを飛ばす。快適な山道を走り、道の駅を過ぎた所にそれは突然現れるのだ。

 

た、確かに五重塔だ!と唖然とし、車を正面に着ける。庭には夥しい数の石像やオブジェがあり、しかもどの作品も皆味がある。まずは日が落ちる前にフィルムに収めておこうと、カメラを取り出し激写開始。一通り作品を鑑賞させていただいたあとは、早速店内へ入ろうと入り口ドアを開けようとするも、カギが掛かっているではないか。あれ〜、今日は営業しているって電話で確認したのにな〜、変だな〜。折角来たのに、このまま引き下がるワケには行かん!と周りの建物全てに声をかけてみるも、だ〜れも出てこない。しばらく待ってみたが、結局入塔出来ずに宿泊先の下呂温泉に引き返してきた。

さて翌日リベンジということで、朝電話で営業を確かめた後、再訪してみた。昨日の様に車を正面に着けてみると、なんと営業中の看板の上に黄色のパトランプがグルグル廻っているではないか。そうか、廻ってないとダメだったんだな〜、などと妙に感心し店内へ。するとそこには早川オーナーご夫婦の姿が・・、「ああ、さっき電話くれた人やね、まあ、かけなさい」。お母さんはカウンター内で何やら作業を始めた。「あんたら、どこから来はった?」「横浜です、凄いですね、全部お父さんが造られたのですか・・」などと、五重塔建設のいきさつや石像・鉄工像の作製などのお話を伺った。

ふと気付くと、ここは「喫茶」五重塔であるので、ただ話を聞くだけでは申し訳ない。そうそう飲み物を注文しなければ、とメニューを捜すがテーブル上にも壁にも掲げていない。うーん、どうしようと思っているとカウンター内のお母さんがコーヒーの準備をしているではないか。そ・そうか、ここは客に選択の余地を与えない喫茶店なのだ。「昨日の夕方来てみたのですが・・」「ああ、ちょっと買い物に出ていてな」などと、のんびりとした会話を楽しんでいると、お母さんが煎れてくれたコーヒーが出てきた。さらに渦巻きパンと、てんこ盛りピーナッツ。「さっ、どんどん食べて」とお母さん。いっただきま〜す、ということでパンをムシャムシャ、コーヒー、ずずっ。

  

それでは、と五重塔正面入り口にて記念撮影会を開催後、庭の石像鑑賞に移る。やはり一番奥の特攻服を着た兵隊さんの像が気になったので、伺ってみると、戦争で亡くなられた早川オーナーのお兄さん像との事。このほか東京タワー模型(展望台内部の見学者までしっかり造り込まれている)や、頭部が福禄寿となったドラえもんやら、妙な迫力の不動明王など、見所満載。隣の建物(これも自作なのでは?)2F道路側はデカいショウウィンドウになっており、そこには三味線を抱えるマネキンさんもいる。石像は販売もされているようで、「バブルの頃は良く売れたね〜」とお母さん。「売ます」の札がかかる名古屋城の出来も秀逸だ(しかしお値段は幾らなのだろう、恐ろしくて聞けなかった・・)。

  

庭の作品をじっくり鑑賞させて頂いた後は、また塔内に戻り、次は五重塔二階部分を見せていただいた。こちらにもユル〜い早川ワールドが展開されており、頭頂部に花が生けられる顔型一輪挿し石像や、切り株などが所狭しと並べられいる空間だった。ずいぶんゆっくりとしてしまったので、オーナー夫妻に写真が出来上がったら郵送することを約束し、取材は終了したのだった。また行きたいな〜、五重塔。

写真:

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