新潟市中央区「あすなろ塾」

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「自分がされたくないことは人にするな」という表現について、
自らの立場(賛・否)を明らかにし、その理由を述べよ。(800字)

 課題文のフレーズは、「対等・平等」の人間関係の下では当然のこととして当てはまる。しかし、「教育」・「医療」というジャンルでは当てはまらないことが多い。例えば、子どもが勉強嫌いで学校へ行きたくはないからといって、それを素直に認める教師や親がいたならば、その教師や親の方が問題にされてしかるべきである。日本では小・中学校は「義務教育」ということになっているが、これは子どもが学校へ行きたくないのに「義務」として行かねばならないことを規定したものではない。子どもが、将来、まともな人物に育つようにと、「教師なり親なりが、子どもに教育を受けさせる義務」を規定したものである。

 ここにおいては、子どもが教育を受ける権利を放棄する理由は存在しない。むしろ、登校拒否をしている生徒の教育を受ける権利を奪い、長期欠席でも「卒業」させてしまう学校や親のあり方が問われねばなるまい。

 医療についても同様のことが当てはまる。子どもにある病気の予防接種を受けさせることは、子どもにとっては「されたくはない」ことであろうが、将来の病気予防のために、あえて子どもにとって「されたくはない」ことを強いているわけである。

 「教育」・「医療」と、それを施される人間の関係は、ちょうど剪定(せんてい)とリンゴとの関係に似ている。リンゴを剪定しないで放置しておくと枝葉は茂るが、なるリンゴの実は食えないようなものになってしまう。かわいそうでも不要な枝葉は切り取らねばならない。リンゴを自然のままに放置しておくのではなく、ある程度、本性を歪めるという不自然なことをすることによってこそ、立派なリンゴが育つのである。

 「教育」・「医療」と剪定とは、人間やリンゴにとって少なくとも表面上は楽しいものではない。楽をする「教育」・「医療」は存在しないから、暖衣飽食の時代での「教育」・「医療」は成り立ちにくい。(781字)



講師略歴

■ 新潟大学法学部卒業
■ 元新潟県農業大学校 講師
■ 元共通一次試験テレビ解説担当講師(TeNY)
■ 元予備校講師・英語専門学校講師
■ 英検1級・通訳案内士
■ 著書『英語総合』『英語読解』『小論文の書き方』ほか


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