宗祖日蓮聖人四恩抄に示して曰く、 「法の恩を申さば法は諸仏の師也。諸仏の貴き事は法に依る。されば仏恩を報ぜんと思はん人は法の恩を報ずべし。次に僧の恩をいはゞ仏宝法宝は必僧によて住す。譬ば薪なければ火無く、大地無れば草木生ずべからず。仏法有といへども僧有て習伝へずんば、正法像法二千年過て末法へも伝はるべからず」 平成二十五年十一月二十八日、午後六時四十六分、元日蓮宗大荒行堂正伝師、鎮西身延山本佛寺第八世、博多日蓮聖人銅像護持教会第十二世、佐野前暁 権大僧正、體道阿闍梨日修聖人、安詳として化を遷されました。 日修聖人は当山第八世として本佛寺の護持、発展は元より、周知の如く日蓮宗に於ける修法道の興隆に心血を注がれ、地元浮羽や博多だけでなく、広く全国の日蓮宗僧侶、檀信徒の方々からも大変慕われたお方でした。昭和三十四年に日蓮宗大荒行堂第初行を成満され、以来、秘妙五段の苦錬修行を重ねられ、同四十七年二月第五行を成満。同六十年に副伝師を拝命、平成二年から同五年まで副伝師を務められ、同十年の筆頭副伝師を経て 翌十一年と十二年及び同十七年からは五カ年続けて正伝師の大役を務められ、その責務を見事に果たされました。まさに、「我不愛身命 但惜無上道」を体現された聖人は、師厳道尊の生活を送られ、礼節と読誦行を殊の外に重んじ、今日活躍する幾多の日蓮宗修法師を輩出されたのであります。 また、当山本佛寺におきましては、仏舎利塔の建立、正面参道の整備、西身延霊園の造成、そして大きくそびえ立つ仁王門の建立など、寺門興隆に尽力、多くの檀信徒を教化し導かれました。 さらに平成十三年、日蓮聖人銅像護持教会第十二世主管へ就任。銅像建立百年祭に向け、その報恩事業として境内整備を推し進められ、百年祭報恩法要を盛大に奉行されましたことは皆様の記憶にも深く刻まれていることと存じます。 その他、語り尽くせないほどの功績を残されました日修聖人、逝きて還らざる久遠の旅路へ赴かれ、春秋すでに巡り、早や小祥忌の辰を迎えられました。本日は報恩感謝の意を表すべく、小城松尾山護国光勝寺貫首平井日延猊下を導師に仰ぎ、当山子弟代表式衆のもと、只今より體道阿闍梨日修聖人、第一周忌法要を厳修いたします。 一同合掌 法味言上
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