春季彼岸会

平成17年3月20日の記録

霊廟・霊園・納牌堂・各地域墓地

合同大法要

 今年は、福岡地域には起こりえないとされていた(空白地区)私達の町を地震が襲いました。それはそれはもの凄い音と共に揺れがやってきた恐ろしい状況でした。ちょうど法要開始7分前の出来事です。500名を越える参拝者の方々がその瞬間、悲鳴と共に本堂から次々に出てこられました。本佛寺の本堂内には30を越える大きな瓔珞(ようらく)が下がっています。それが振り子のように大きく揺れました。もし落ちれば大惨事となることは否めません。家内が本堂に走り誘導したため、その事態にはなりませんでしたが、想像するだけでも怖くなります。天災になすすべのないことを体感したお彼岸となりました。法要は時間を変更することなく、11時の昇堂(私達僧侶)にて厳修されましたが、開始後しばらくは落ち着かない心境の法要であったと思われます。お陰様で瓔珞、天蓋(てんがい)等、仏具一切破損することなく現在に至っています。
 今年のお彼岸の模様をここに掲載します。  

山首 佐野前延

 

いつも通り法要の模様を掲載します。広報 前岳

 

スナップ

 

信徒会館の受付にて芳名帳に記入する檀信徒
記帳を済ませ家族で本堂へと額ずく。

(まだ地震前です)

 

婦人会がお団子を配っています

 

ぞくぞくと時間に併せて本堂に集まる参拝者の方々

 

そしてこの後、10時53分

震度5強の大地震が襲いました…。

 

この場面の記録は省きます。

 

 

午前11時 

 

いよいよ大本堂にて大法要が始まる。

(みなさんが本堂に戻られて、半鐘がなりました)

 

導師・式衆入堂

 

 

 

通常になった厳粛な法要の模様

一心にご先祖に額ずきました。

 

 

そして、行堂が鐃の後始まりました。(飯水香)

 

 

 

参拝者焼香へ

 

長蛇の列が本堂内に出来ました。

(写真の上方に写っているのが瓔珞です)

本当に無事でよかったです。一つも落ちず、また破損もありませんでした。
これもやはり、仏様のお陰と報謝しております。合掌…
 
 

 

 
焼香を終えた参拝者に世話人よりお弁当が手渡されました。
 

 

互いに礼拝、ほのぼのとするお姿です。

 

こうして無事 

 12時過ぎに法要は終了しました。

 

 

山首謝辞

 

本日は、ご参詣誠にありがとうございます。法要開始前には、大きな地震があり
皆様にはどんなにか怖い思いをされたことでしょう。私も丁度お衣を着終わった
直後でしたので、立ち上がっておりましたが、思わず座りました。皆様には情報
が入っていませんでしょうから申し上げますが、震度5もあったそうです。臨時
ニュースをすぐに見まして…。博多の方は震度6となっていましたので、これは
大変なことだと思います。現在、電話が全く繋がらない状況になっているそうな
ので、お参りの遠方に方には、お気の毒でまた申し訳なく存じます。しかしなが
ら、もしかすると、お彼岸中日に先祖への額ずきもせず、株の売買による企業買
収の話しばかり国民が夢中になっているから、佛天が怒って地を揺らしたのかも
しれませんね。とにかく大変なことになりました。どうぞお気を付け下さい。 
さて、私は本日どうしても申し上げたい事があってこの新聞を持って来ました。
 

 

 
いったいどうなってるんでしょうか今の世の中は?四年ほど前に予言というか予告で
申し上げたことがありましたが、ついに本当の事になってきました。インターネット
をつかって、画面に向かって合掌するという時代です。これはとんでもない事です。
本日の為にと、私の元にこれだけのお手紙が届いています(手紙の束を見せる山首)
が、どの方も遠方の方で、「忙しいのでいけませんが、五月頃にはお邪魔します。」
と書いておられたり、「ご先祖様のことすいませんが宜敷くお願いします。」と切々
とお詫びを記されたりしています。お寺が代行でいいじゃないですか!。そのために
お寺というものはあるんですから。お寺は死んでから来る所ではなく、生きている時
にくる所なんです。その意味がお解り頂けますでしょうか。ことに彼岸とは此岸から
彼の岸に渡るという行事ですから、生きている私達がお亡くなりになった方々と最も
近い状態になって御回向するという聖日なんです。是非ともお寺に来てください。も
しお彼岸に来れなければ後日でも構いません。お寺の者がちゃんとそうお伝えします
から。それが皆様と私共の間柄なのです。今日お気づきになられた方もいらっしゃる
でしょうが、この本堂に空調設備を整えました。今暖房を入れておりますが、時代の
流れでしょう。寒い修行といってもなかなかこの本堂でじっと座っているのはお辛い
でしょうと思い、昨日工事が終わりましたが、暖かいですね。(笑い)なんとか間に
合いました。そうなんですよ。このように皆様と共にあってのお寺ということなんで
す。私達は修行ですので一切構いませんが、一般の皆様がこの御堂に入って苦しい思
いをされては可愛そうだと考え、この設備を完備した次第です。どうぞそのへんの事
も理解されて、お聞きの皆様は、一人でも多くの方にお伝え下さい。共にあるという
ことを。それを仏教では道交と申しますが…。(中略)以上勝手ばかり申上げました
が、またのご参詣をお待ち致しまして、私の彼岸説教そして御礼の言葉に変えさせて
頂きます。余談ですが、93才になる祖母がインフルエンザで寝込んでいましたが、
先程の地震で、飛び起きて、普段は杖を使っている筈なのに走って表に出てました。
火事場の何とかってのは本当なんですね。皆さん力強く生きて下さい。臨終正念で!

 

 

 

 

来年も健康で、御参拝されて下さい。

ご覧頂きありがとうございました。

広報 前岳

 

 

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