|
|
2001年3月24日 スノウリとネパールとカトゥマンドゥ今日はバスでカトゥマンドゥまで向かう。 昨日から数えると丸二日間バスに乗りっぱなしということですな。やっぱ地上での国境越えは大変だ。 で、流石にネパール、標高が高い。次第に道も坂が多くなる。 相変わらずの荒野を、バスはうんうんうなりながら登っていく。 が、何しろバスの性能が悪いなんてもんじゃない。 当然道は上り坂なのだが、その坂がなかなかの登れない。 一生懸命なエンジン音は聞こえるのだが、何時までたっても進まない。 はっきり言って歩いた方が早いんじゃないの?って言うくらいのスピードだ。 こうやって比べると、日本車がいかに性能がいいか、よく分かる。 がんばれ!!ネパール車!! おそらくインド製の払い下げだろうけど・・・・。
この河の上流にカトゥマンドゥの町があるという。なるほど。 この河もいずれはガンジスの流れに合流するんだろうネェ。 ところで、我々が乗ったこのバス、どうやらただの観光バスではないらしい。 つーか現地民の乗合バスもかねている。 よって適当にバスが止まると適当に現地民が乗り込んでくる。 仕舞いには流しの音楽屋が乗り込んできてネパール民謡を披露、チップをせびっている。 おいおい、なんだ?このバス? つーかこいつらはバス代払っているのか? とにかくこの酷い道をがたがた揺れながら、ようやくカトゥマンドゥの町に辿り着く。 予定表では夕方の4:00に着くはずであったが、実際に着いたのは6:30を回っていた。 予想通りとはいえ、この予定表の時間に意味は無いらしい。 当然もう日も暮れて、あたりは真っ暗。 しかもはっきり言ってネパールの地理などについては全く下調べをしていない。 宿が何処にあるのかも知らない。 が、心配する必要は無かった。 カトゥマンドゥの町に入ると、なぜか大量のホテルマンがバスに乗り込んで自分のホテルの宣伝をはじめた。 「へい、俺のホテルに来ないか?」「あいつのホテルはお湯のシャワーがでないぜ!?」「何言ってやがる。うちには日本人観光客も多いんだぜ!!」 そんな感じで売り込んでくるのだが、インドと違ってそれほどメチャクチャではない。 嘘もつかないようだ、基本的に。 が、インドから来た我々はどうしても頭から彼らの言うことを信じることが出来ない。 ま、とにかく今は地図が欲しい。 そのことを告げると、ホテルマンの一人が「OK」と言って地図をくれた。いい人だ。 何でも彼らの言わせると、インド人は今そこにある儲け話を出来るだけものにしようと躍起になるが、ネパール人は「信用」などと言ったものを長い時間掛けてでも得る事によって結果的に儲かるようにしよう、と考えるらしい。 確かに日本人に似ているかもしれない。 結局、バスの中で知り合ったアベさんという日本人の人と、その中の一つのホテル「HAMA」に泊まる事にする。 値段の割にいいホテルである。お湯のシャワーもでる。 インドならいいけど、ネパールは流石にちょっと寒い。 お湯が出ないと辛そうだ。 ついでにホテルの人に例の往復バスチケットを見せて、何処のバス停から乗れるのか聞いてみた。 が、答えは「こんなチケット見たこと無い。しかもコレにはネパールの住所が書いてない。もしかしたら使えないかもしれない。」 なにぃぃぃぃいいいいい!! もし使えないとすると二人でRs800も損した事になる!! そんなバカなぁぁぁぁ!! とにかく今日はもう遅い。 詳しいことは明日調べるとしよう・・・・・・・・。 さっきのアベさんの紹介で「KOTO(古都)」という日本料理のレストランに行く。 すっかりカレー尽くしだった我々にとって「焼きナス定食」やら「生姜焼き定食」やらはむしろ新鮮。 つーか、座っただけでお絞りと水が出てくるのは感動ものである。 しかも内装も日本っぽい作りでメニューも日本語で書いてある。 日本語の読売新聞まであったのはビビった。 米もインディカ米ではなくてジャポニカ米を使用。 その上おかわり自由。すばらしい。 味もいい。 ココは結構オススメです。 ただし、この辺の相場で一食ターリーが約NRs50で食べられるところ、NRs100〜200するからこちらではかなりの高級レストラン。 満足して宿に戻るが、ちょっと体の調子が良くない。 体温を測ると37℃。 やや低めの平均体温の自分にはちょっと微熱。 が、一方で鯵は38.3℃もの熱があることが判明。 だが、鯵はこれまでも生水をがぶ飲みしたり、ガンガーを泳いだりしているので、心当たり多すぎ。 ただの旅疲れであることを祈る。 2001年3月25日 チケットと寺院と金持ち高校生結局未だに例のチケットについては分からずじまい。 仕方が無いので今日はカトゥマンドゥの観光協会に直接問い合わせてみる。 が、観光協会の人間にも結局分からない。 更に不安が増す。 最終手段、と言うわけで国際電話をかけてこの旅行会社に直接問い合わせる事にする。 オレ「ハロー、ちょっと、往復チケットについて聞きたいことがあるんだけど・・・・?」 スタッフ「OK。どうぞ。」 オレ「今、そちらで買ったチケットを使ってカトゥマンドゥにいるんだけど、そっちで買った帰りのチケットの使い方が分からないんだ。」 スタッフ「OK。ノープロブレム。とりあえずバナラシのツーリスト・バンガローまで来い。」 ・・・・・・・・・!?話が通じない!! オレ「いや、そうじゃなくて今ネパールにいるんだけど・・・・?」 スタッフ「じゃあ、適当にチケットを使えばいい。」 だからそれが分からないっつてんだろ!! スタッフ「とにかくスノウリまで来い。そうしたら我々の会社のバスでバラナシまで来れるから。」 オレ「スノウリまではどうやっていくんだ?」 スタッフ「バスターミナルでチケットを見せればどのバスにも乗れるから、スノウリ行きのバスに乗って来い。」 おいおい、マジかよ!?ほんまにどのバスでも乗れるわけ? とにかくじっとしてても仕方ない。 今度は約5km離れたバスターミナルまで行く。 バス自体はほぼ毎日、頻繁に出ているみたいなので問題はなさそうだ。 問題はチケット。 オレ「もしもし、このチケットについて聞きたいんだけど・・・・?」 スタッフ「なんだ?このチケットは?」 オレ「つまりコレは・・・・・・・・・・・という訳でこれを使えばどのバスでも乗れるって聞いたんだけど・・・・。」 スタッフ「ダメだよ、これじゃ。使えないよ、ここでは。」 ・・・・・・・・・・・・・・・え!?おいおい、どうなっているんだ!!? とにかく一度スノウリまでは別のチケットを買ってそこから先で聞いてくれ、とバスのスタッフは言う。 めちゃめちゃ不安になってくる。ホントにインドに戻れるのか? で、傷ついた心癒すために観光でもしようと考える。 まずはターミナルからやや南に下ったところにあるマイピ・アジマ寺院というマニアックなヒンドゥ寺院へ行く。 ここはちょっとした高台の上にある静かな森に囲まれた閑静な寺院だ。 雰囲気は日本の田舎の神社とかに近いものがある。 こういう落ち着く感じが葦座は大好きです。 僧侶の人たちも皆いい人たち。 写真撮影も快く許してくれました。 ネパールのヒンドゥ教は仏教と習合しているらしく、寺院も仏教的な建築が多く見られます。 あとはガートを見たり、現王宮を見たり。 現王宮は今のネパール王が住んでいるところで、流石に中には入れなかったっす(当然か?)。
こういうマニアックな寺院がたまらない葦座、早速お参り。 中に入ると、小さな女の子がててて、と走り寄ってきて、葦座の手を引いてシヴァの祠に案内してくれます。 ?とか思っていると、どうも一緒にシヴァにお祈りしましょう、と言うことらしい。 一通りお祈りの仕方を教えてもらって、一緒にシヴァに祈りを捧げる。 で、お祈りが終わった後にお礼としてチップを渡すと嬉しそうな顔をして「THANK YOU!」といってまたトテトテと奥のほうへ走り去っていった。 ・・・・・・・・・・。かわいいねぇ・・・・・・・。 インド、ネパール、特にネパールの少女はかわいいネェ・・・・・・。 ロリコンに目覚めそうっすよ・・・・・・。 なんていうか・・・・・・・・もって帰りたいですネェ・・・・・・・・。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っは!! 危ない。もう少しで犯罪者の仲間入りをするところでした。
そのうちの一人の女性に話し掛ける。どうも数人の高校生の引率をしにココに来ているらしい。 お互いの旅程の話や世間話などをする。 オレの姿がみすぼらしいのか、アヤシイのか、高校生の方はオレには見向きのしない。 ま、確かに我ながらかなりインド、ネパールの胡散臭さに感化されていたとおもうがね! その女性曰く「ホントの引率は専門の方がいるし、英語とかは生徒の方が出来るから私はホントにただ付いてきただけみたいなものなんですよ。」 へぇ、そんなもんかねぇ・・・。 オレ「で、そういえばどんなホテルに泊まっているんですか?」 カトゥマンドゥはあまり大きな町ではなく、ツーリスト用の安宿はほとんどこのタメル地区にあるので、あわよくば夜中こっそり遊びに行こうかな、とか考えて・・・・・・いた訳ではなく・・・・・・、まあ、聞いてみました。 女性「え・・・・・、普通の中流ホテルですよ。一泊2000円ぐらいの・・・・・。」 ほう、それは中流ホテルなんですか?僕らは日本円にして一泊300円ぐらいのホテルなんですがネェ・・・・・。 で、そのままその集団はお土産屋に入っていくので自分もツッコミで入ってみる。 高校生達は「うわ〜、やす〜い。」などとのたまいながら楽しそうに一つNRs500ぐらいの指輪とかを見ている。 おいおい、NRs500は高級品だぞ、マジで。 で、例のその専門のガイドが言う。 「買い物は明日時間があるから、ここで大体の値段を覚えておくといい。明日は一人1万円づつお小遣いを渡すからそれで好きなように買い物してごらん。」 なにぃぃぃぃぃ・・・・・・・・!! ひとり一万の小遣いだとっぉぉぉぉぉぉ!! こっちは全ての経費込みでひとり5000円ぐらいしか持ってないのにぃぃぃぃぃ・・・・!! このブルジョワジーがぁぁぁぁぁぁっ・・・・・!! 世の中舐めんじゃなぇぇぇぇぇぇ・・・・・!! とか思ったりする。 ふぅ・・・・。 とにかく住んでいる世界が違うと感じた葦座はおとなしく一泊300円の宿に帰る。 鯵の熱は相変わらず下がらず。 オレも多少調子が悪いので現地で風邪薬を買って服用。 早く良くなるといい。 2001年3月26日 シヴァとハヌマーンとアヤしいネパール今日もカトゥマンドゥの街中をうろつく。 カトゥマンドゥの街はきれいだ。 ゴミもウンコも人間もあまり落ちていない。 今日はハヌマーン・ダッカという寺院群のある広場一日ぼーとする事にする。 一応自分も鯵も体が本調子じゃないしね。 ここにある寺院はどれも立派なものばかり。 巨大ながらその緻密な彫刻は脅威に値する。 何気ないが、圧倒的な迫力だ。 こんな建物が所狭しと広場中に建っている。 首都にこんな寺院群があるなんて・・・、さすがヒンドゥ王国!
なんか思わず手を振りたくなる。 広場は寺院群でありながら、一般の人々の憩いの場にもなっているらしく、日向ぼっこのおじいちゃんや、学校帰りの子供の買い食いや、そういった風景も見られる。 そんな中、2,3人のネパールの青年に声を掛けられた。 名前とかは忘れてしまったが、何故かそのうちの一人は「マイケル」と呼ばれていた。 なんでマイケルなのか聞いてみると彼女に付けてもらったらしい。 くそっ!!バカップルは世界中何処でも共通らしい。 それから鯵と寺院のそばのマーケットを冷やかしに行く。 もう、なんていうか、言語に絶するほどのアヤシイグッズが取り揃えてある、といった感じ。 仏像の横に裸の女性が風呂に入っている像があったり、ククリ(ネパール特有のナイフの一種)と一緒に奇妙な顔をした操り人形(これはヒンドゥの神様の姿をかたどったものらしいが・・・・)が売られていたり・・・・・。 はっきり言って「これ、お土産にしたらほとんど嫌がらせだよな」ってもののオンパレード。 「ディスコミニュケーション」って漫画の背景みたいな感じだ、あえて表現すれば。 で、こういった所とかで某後輩に頼まれた「チャクラム」(古代インドの武器。輪っか状の刃物。投げて斬り付ける武器。)を探すが、無い。 つーか、そもそも皆チャクラム自体を知らない。 言ってみれば日本のお土産屋で真剣を探すようなものだろう。 それより難しいかもしれない。 仕方ないので代わりにククリを買う事にする。 ただし税関等で引っかからないか多少不安だ。 あと、近くにクマーリ(ネパールヒンドゥ教の生き神様)の館があるというので行ってみる。 中は小さな中庭になっていて、真ん中にある賽銭箱のようなものに金を入れるとクマーリが顔を出してくれると言う。 あまりにも胡散臭いので無視して通り過ぎてしまったが、後で調べたらホントの事だった。 なんて俗物的には生き神様!! で、ついでに近くにあるという博物館へ行こうとするが、見つからない。 明らかにそれっぽい白い大きな建物があるので、中に入ったら銃を持ったおっさんに「ココは違う」と止められた。 仕方ないので外に出て広場の皆さんに聞いてみる。 が、結局白い建物が博物館だと言う。 ・・・・・・・・・????????? よく分からない。 仕方ないので諦めて帰りましたさ。 2001年3月27日 バングとクッキーとサイケな夢ホントはさ、昨夜から始まるのさ、今日の話は。 夕飯を食べてから、バラナシで買ったバングクッキーのことを思い出す。 折角だ、どうせ日本には持って帰れない。喰ってしまえ!! とりあえず一個喰ってみる。 噂によると1時間ほどで効いてくるという話。 が、2時間しても効果は現れない。 鯵は言う。「もう一個喰っちまえ!」 オレは言う「そうか、じゃ、喰ってみるけど、ヤバくなったらフォロー頼むな!」 そして喰う。2個目のバングクッキー。 でもさ、効いてこないのよ。 もういいや、諦めた〜〜〜。寝よぉっと。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。 夜中の12時ごろ・・・・・・・、ふと違和感を感じて目が覚める。 なんだか世界がぐらぐらしている。 やべぇ、今ごろになって回ってきた・・・・・・ようだ・・・・・。 起き上がってみるがフラフラして上手く立てない。 とりあえず鯵の名前を叫びながら電気を付けようとしたが、何故か電灯が付かない。 く・・・・・くらいです・・・・・・。 とりあえずさぁ、なんかすげー頭が冴えてきたような感じがするのよ。 で、次から次へとイメージが浮かんでは消える。 頭のクロック数が格段に上がった気がする。 気がするだけなんだけどね。 で、そっから先の記憶はメチャクチャにあいまい。 ひたすらにサイケな夢をみていた。 とりあえず世界は回っているらしい。 ブリキの金魚が泳いでいます。 ネジと缶詰で出来た公園で誰かが遊んでいます。 暗闇の中から誰かが笑いかけてきます。 拷問道具が近づいてきて、自分の体をすり抜けていきます。 あああああああああああああああああ!!!!!!!!!! でもなぁ・・・・この状態でHしたらすげー気持ちいいんだろうねぇ・・・・・・。 で、気が付いたら朝でした。 脳内のバングはだいぶ抜けたらしく頭はだいぶすっきりしたが、体が動かない。 無理に立ち上がろうとすると本気で吐き気がする。 二日酔いみたいなものかぁ・・・・・。 でもやはり2つは多かったらしく、結局丸1日ベットから起き上がれませんでした。 で、その頃鯵は・・・・・。 とっとと寝てしまったらしいです。 むぐぅ・・・・・・。 2001年3月28日 遠望とジャンキーと奪われたフルーツ結局往復チケットの使い方は分からぬまま、バスターミナルでとりあえず国境のスノウリまでのチケットを買う。 これでスノウリで待ちぼうけだったら笑います。
途中小さな店でたむろしていたジャンキーどもに呼び止められる。 中に入ると既に出来上がった彼らはご機嫌で一緒に飯を食う事に。 適当に世間話をしながら出してくれた料理は辛焼きそばみたいなもの。 いやマジで辛かった。それはそれで美味かったけど。 彼らは「チャンミー」とか「チャニー」とか言っていたがよく分からない。 おいらがその辛焼きそばを漁っている頃、ジャンキーたちは酒(見たところ40度はありそうな)に「白い粉」をさらさらと混入し、ちょっびっとコーラで割ったものを飲んでいた。 「俺達学生だけど、今日は学校は休みなんだ。」 ・・・・・・・・・・・・。絶対嘘だ。勝手に休みにしているだけだろ!? どっちにしてもトブクスリ系はもうしばらく結構です。 彼らをあとにしてスワヤン・ブナットに到着。 先の見えないほどの長い石段に閉口する。 が、ここまで来て帰るわけにもいかない。いくぜ!! 「ハロー、ジャパーニ。ウデワアルヨ、ウデワ。オミヤゲ。10コデNRs100。ベリーヤスイ。」 アヤシイ日本語を発しながら土産物屋が近づいてくる。 いつもなら黙殺だが、今日は女性の土産物屋だったのでちょっとだけ丁寧に受け答えしてみる(笑)。 が、それはヤツラの作戦だったのだ(?)!! 突然、おやつ用に買っておいたバナナとオレンジの入った袋を持った左手に衝撃が走る!! 何事かと振り向くと袋は無残に破かれ、その向うには勝ち誇った顔でバナナとオレンジを手にしているサルが・・・・・。 や、やられた。 一瞬の隙を突いて絶妙のコンビネーションが炸裂! 哀れ我々はNRs50ほどで買った貴重な食料を奪われてしまった・・・・。 そう言えばココ、サルが多いから「モンキー・テンプル」とか言われているんだっけ・・・・。 そんな目に会いつつも何とか頂上に辿り着くが、そこで更に拝観料としてNRs50とられる。むぐぅ。 が、頂上はめちゃめちゃ景色がいい。 マジでカトゥマンドゥの盆地が一望できる。 街としては大きな街ではないし、首都としてはさびしいぐらいの素朴な街だ。 だが、人々は素朴で愛嬌。 そしてバザールや広場には活気があふれ、皆、いつでも神を身近に感じることが出来る街。 オレはこの街が好きになったと思う。 そのまま境内の中の土産物屋を冷やかしたり、寺院を見物したりして一日過ごす。 中で祠の前で一生懸命に祈祷に励む青年とそれをフォローしながら見守る両親の姿を発見。 おそらく息子の成人儀礼か何かなんだろう。青年は必死で儀礼の順番を思い出しつつそれを行い、両親は不安げにそれを見守っている。 が、そんな彼らを尻目に他の信者達はその祠の中にずんずん入り込んで勝手に祈りを捧げている。 せっかちだなぁ・・・・。日本じゃ見られない光景だ。 一通り見物を終えて鯵とボーとしていると突然、「バンザーイ、キミニアエテヨカッタ、コノママズット、ズット、シヌマデハッピー」とか聞き覚えはあるがどこかたどたどしい(その上音痴)な歌が聞こえる。 驚いて振り向くと謎のネパール青年が「バンザイ」を歌いながらこっちに近づいてくる。 謎のネパーリー「アナナタチ、ニホンジン?」 我々「はぁ、そうだけど・・・・。」 謎のネパーリー「ワタシ、ニホンノウタ、スキ。トクニ”ウルフルズ”スキ。」 我々「ああ、いいねぇ、ウルフルズも。でも何でウルフルズなの?」 謎のネパーリ「ムズカシイニホンゴ、ワカラナイ」 ああ、そうですか!! 結局お互いブロークンイングリッシュで会話。 で、そいつは歌が好きなんだと。 おいおい、さっきの「バンザイ」は下手糞だったぞ、とか思っていると、突然、 「オレはダメダメ人間〜〜」「どうせオレは独り者〜〜」「寂しい寂しい傷心の男さ〜〜」 みたいな事を歌いだす。何者だ、コイツ? どうも彼によると、以前、カオリという日本人女性にあって恋をしたが、結局彼女は日本へ帰ってしまったため失恋したという。 キスぐらいはしたのか、と聞いたら手も握ってない、と言う。 それってただの片思いじゃん!? で、再び「ああ〜、帰ってきておくれよ〜〜愛しのカオリ〜〜。抱きしめたいよ〜〜。でも君はいない〜〜。」とか歌いだす。 誰かコイツを止めてくれ!! 最後に彼は捨て身のギャグを残して我々の前から去っていった。それは・・・・ JAPAN=Janmpin And Poping At Night だそうだ。 こいつ絶対頭弱いわ・・・・・。 2001年3月29日 カツオと音楽屋とパンケーキいよいよネパールを去る。 当然、今までの宿代を払う事になるのだが・・・・・。 アホな事にオレ、一泊計算を間違えていました(笑)。 よってギリギリ足りるはずだった宿代が微妙に足りない!!NRsが・・・・・。 とりあえず鯵に金を借りて何とか繕う。すまん、鯵! で、そのままターミナルへ。 結局ここでスノウリまでのチケットを買わなければならない。 チケット販売カウンターが分からないので適当にぶらついていると、グラサンをかけた怪しげなオヤジが近づいてきてあっちだ、と言う。 が、インドで人間不信モードにスイッチが入っている我々にはあまりにも胡散臭く聞こえてしまう。 なんと言っても自力が一番さ。 でもコレも事実。 自分で出来ることはマジで自分でした方がいい。 列車のチケットの買い求め、ツアーの申し込みなど、極力人任せは止めたほうがいい。 トラブルの元になりやすいから。 で、何とか自力でカウンターを探し当てるが、それはさっきのグラサンオヤジが教えてくれた所だった。 すまん、オヤジ。 するとオヤジはなんとカウンターで待っていた。 で、頼んでもいないのに列を割ってオレらを中に入れてくれた。 ありがとう、オヤジ!そのグラサン似合っているぜ!! 無事チケットを買い込みバスに乗り込もうとすると物売りのガキがパンケーキを買えと言ってくる。 が、残念ながらオレの現在の当時の全財産はNRs18!! 当然一個NRs20のパンケーキは買えない。 財布を開けて全財産を取り出し、「コレしかないから買えない」と言うことをアピールすると、ガキは強引にパンケーキをオレに押し付けた。 なんだ?くれるのか? とか思っていると、突然オレの手からそのなけなしのNRs18を引っ手繰ると走り去った!! ふざんけんな!!飢え死にするっつーの!! が、ヤツは既に人ごみに紛れていて何処だか分からない。 くっそーーー!! 悔しげに探していると、他の物売りが「あいつはあそこにいるぞ!」と教えてくれた。 ありがとう、行ってくるぜ!! で、そのガキを見つけてなんとか金を取り返す。 強引に金を引っ手繰ったり、でもその犯人の場所をあっさり教えてくれたり・・・・・。 よく分かりません、ネパール人。 なんとかバスに乗り込み出発。 オレも鯵もまだ体が本調子でなく、ちょっとだれ気味。 バスに揺られながらボーと過ごす。 途中崖に突っ込んで大変な事になっているバスを発見。 乗客やスタッフはもう収容されたらしく、バスは空っぽだった。 うわっ!!こんな事故に巻き込まれたらたまったもんじゃないです。 途中バスは昼飯のために小さな街に寄る。 他の乗客の皆は適当にターリーなどを食べているが、おいら達には金がない。 仕方ないので非常食としてもっていったカロリーメイトを食べる。 すると、流しの音楽屋風の親子がやってくる。 「音楽はいるか?ネパール音楽、聞くか?」 彼らは聞いてくる。 が、残念ながら君らに払うチップはない。 なにせNRs18ですからな!! 連れたガキが飲んでいるそのジュースを買ったら財産残らないんだぜ!? が、その親子はなんとかオレらと仲良くなって喜捨を求めようとしているようだ。 ごめんよ、本気で金無いんだって!! そういうことはもっとお金持っている他の人に言ってくれ。 そのままバスは彼らを置いて発車。 が、どうもこのバス、日本でいう定期便バスとは少し違うらしく、好き勝手に客を乗せて、その客のリクエストに合わせてかなり寄り道している。 時には正反対の方向にまで走っている。 おいおい、本気で到着予定時間に着く気・・・・・無いね・・・・。 で、その頃途中で乗り込んできて、オレらの前の席に座った中高生ぐらいのガキがやけにハイテンションで非常にウザイ。 ただでさえ調子が悪く、金も無い我々。 こいつの相手をするのはちょっと精神的に辛い。 鯵は彼に「カツオ」というコードネームを与えてかなりキレ気味。 「あと、5分でスノウリに着くベ。よかったねぇ。」 そんな感じで話し掛けてくる。 いいからほっといてくれないかなぁ・・・・。 で、ようやくスノウリに到着。 チケットの使用法を聞くために行きに泊まったホテルへ行く。 チケットを見せるとようやく話が通じた。 どうも明日の朝国境に来るバスに乗り込めばバラナシまで行けるらしい。 それ以上の情報は得られなかったが、まあ、いいや。明日になれば分かるでしょ。 とりあえず今日はとっとと寝よう。 が、後になって事情のわかる人間が来て、明日のバスの予約が出来たと言って席のNoを教えてくれた。 ついでに宿代も返してくれると言う。 やっぱネパールはいい国だ。 |