DQ5リカバリーTA大会 2010春 観戦メモ

Written by まんさく

主催
東京大学ゲーム研究会
会場
東京大学 駒場キャンパス キャンパスプラザA棟 第3会議室
日時
3/21(日)10:00〜
出場者
PONさん、けい坊さん、右弐さん、くねおさん

観戦メモ

第1問

溶岩原人撃破(調査時間3分、クリア制限時間40分)

ラーの鏡入手直後から。パーティが主人公、ヘンリー、そしてメタリン。1/256とはいえ一応はRTA中でも仲間になることが想定されるモンスター。そんなもの凄い偶然に出会った時の戦略だって、RTAプレイヤーなら練ってありますよねwという趣旨の問題。

実はもうひとつ重要なのが、銀行に預けられた20万Gを超える大金に気付くかどうか。これによりキラーピアスで攻撃面を、オラクル屋ののれん(毎ターンHP回復)で防御面を万全にできる。(RTAでカジノ技使った後のシチュエーションという意図だろうか。)開始直後、けい坊さんが預金を下ろしてカジノに直行。ただ、エルフの飲み薬に換えるなど使い道を誤った模様。その交換シーンをチラ見する右弐さん。(強さ画面で預金は確認できるので自力でも既に気付いていたのかは不明。)PONさんは最後まで気付かなかった模様。後ろで全員眺めていると、あ、今誰は気付いたな、というのが分かって面白いw。

メタリンはいくら硬いといってもHPは6。そこはきっちり対策しないと倒されてしまうことも。唯一クリアの目があるのが大筋想定通りの戦略をとれた右弐さんだったが、薬草を買い忘れて偽太后戦で全滅したロスが響き溶岩原人戦に突入した直後タイムアップ。オート連射放置で1、2分後に撃破できていたので、僅差で4ポイントを逃したことに。薬草を笑うものは薬草に泣くw。1問目から全員タイムアップという波乱の幕開け。

第2問

8人パーティ結成(調査時間5分、クリア制限時間40分)

デモンズタワーのオークLv20撃破済みの状況から。パーティはクリフト(主人公Lv10)、アリーナ(スラリン)、トルネコ(ブラウン)、マーニャ(マーリン)。名前をDQ4にあわせて変えてある。マーニャ老けたなぁwww。さておき、既に4人パーティで、簡単に増やせる仲間モンスターは既に取ってある状態。

選択肢は2つ。1つはキメーラLv35とジャミを倒し、男の子、女の子、サンチョ、ピピンを加えること。装備や種、木の実はそこそこ与えられており、腕に自信があるなら運に頼らずクリア可能。もう1つは、アプール(1/2)、ピエール(1/4)、ドラきち(1/4)、ヌーバ(1/4、主人公Lv11にする必要)、ソロ(キラーパンサー)のうち4匹を加えること。運ゲーになるが難しいことを何もしなくてよい。キラパンの名前にソロ(DQ4デフォルト勇者名)を選んであるあたり、ネタをしっかり仕込んであるなぁと感心するw。

右弐さんのみ正攻法を選択。当然一番応援したくなるわけだがw、連射コンによる種の配分ミス、祈りの指輪が1発目で壊れる不運が重なり無念のリタイア。PONさん、続いてくねおさんが、ほんの僅かの差で立て続けにゴール。ダニー(1/32)をツモるという大ラッキーを引いたけい坊さんだったが、あと1匹のピエールが全然起きず、結局キラパンを取りに行って3着。

先にクリアしたPONさん、くねおさんが残りのキャラの名前もDQ4に変えて遊んでてワロタ。ピサロはふくろかよwww。

万全に練ったうえで正攻法をとると30分程度でクリアできるそう。一方、運ゲーを選択した3人のクリアタイムは20分程度。バランスとしては、正攻法の方が早くなるようにあるべきだったと思う。キメーラも撃破済みにしておくとか。

第3問

「ひとしこのみ」作成(調査時間7分、クリア制限時間60分)

個人的に一番面白かった問題。「ひとしこのみ」はSFCの裏技と同じである必要はなく、頭文字さえあっていれば何でもよい。(身かわしの服の代わりに水のリングでもよい。)ただし平仮名でないと駄目なので、シルクのヴェールを「し」として使うのは不可。青年時代後半開始直後から。

結婚後のため、「こ」紅白まんじゅうと「み」水のリングは最初から揃ってる。「の」は元ネタと同じくのこぎりがたなを買えばよい。「ひ」「と」は元ネタと同じにしようと思ったら過去サンタローズまで話を進める必要。光のドレス、とんがり帽子が買えるのでそれで代替可能。残る「し」が問題。グランバニアの宝箱は回収して捨ててあるので(勘違いです。PS2版は宝物庫に鍵かかってるの忘れてました。残ってるけどブオーン倒さなきゃなので、結局除外。)妖精の村のすごろく場クリア景品の幸せの帽子か、トロッコ洞窟の祝福の杖を狙うことになる。神秘の鎧は小さなメダルがやはり回収して捨てられ済みなので不可(嫁ビアンカのためカボチも不可)。何にせよエルヘブンに行くため海の神殿を抜ける必要があり、加えて天空への塔、トロッコ洞窟、迷いの森等をこなす必要がある。低レベルパーティではかなりの難関となるため金策も要求される。装備を固めてトロッコ洞窟を終えたら、その装備を売って光のドレスを買うなど。

出題側はあり得ないと思っていたすごろく場クリアをやってしまったPONさんが逆転1位。続いて普通に祝福の杖を選んだくねおさん。同じく祝福の杖で、ほぼ想定解を得つつも途中リセットしたロスで遅れてしまった右弐さん。最後に、紅白まんじゅうと水のリングを見落としてこんぼうと身かわしの服まで用意してしまったけい坊さん(再現度は一番w)。

第4問

天空の鎧入手(調査時間5分、クリア制限時間60分)

ゴンズ撃破済み、ブオーン未撃破の状況から。パーティはレック(主人公)、ハッサン(男の子)、ミレーユ(女の子)、ルーキー(スラリン)、ピエール、ホイミン、ベホマン、キングス。今度はDQ6DSネタ。

天空のベルをとるためにゲマ1撃破が、最後の鍵をとるためにブオーン撃破が必要。宝箱等は全て手付かずなので、祝福の杖等の重要アイテムを回収してまわり、後はガチ戦闘。スライムいっぱいという通常想定されないパーティ編成で如何に戦術を組み立てるか勝負。かなり緻密な戦術を要求されるようで、その辺は正確に書けないので割愛。

高額アイテムの回収、小さなメダル集め、はぐメタ狩り等、各々あちこちまわって戦力を強化していく間に前半の時間はあっという間に過ぎていく。イベント時間的にもうボス戦始めないと間に合わないという感じで急かされるようにボス戦に突入して全滅。修正方針は立ったがもう時間的に詰んでいるという具合で全員リタイア。嫁フローラだったためカボチで神秘の鎧とれるかと思いきや、実は青年時代前半にフラグ立ててないデータだったという罠があり、あてにした戦術をとろうとしていたくねおさんは発覚時点で詰み。ヤケクソにブオーンに突っ込んだり。終わった後、右弐さんの「時間設定は適切ですか?」という質問に対する答が、「(要約すると)ガチで練ったら50分で行けました。」。調査時間5分でそこまで至れるかよwwwという雰囲気に。

第5問

イブール撃破(調査時間15分、クリア制限時間70分)

ゲマ1、ブオーン撃破済みの状況から。仲間モンスターはキラパン以外無し。

今度はゴンズ、ラマダ、イブールの出番。第4問と逆でアイテムは全て捨てられ済み。ゲマやブオーンと比べれば弱い部類に入るボス達だが、こちらにロクな装備も仲間もいないという問題。これも想定解は緻密過ぎて把握しきれないので割愛。

やはり前半の準備で時間に余裕が無くなり、後半トライ&エラーの余地がなくなる展開。くねおさんがこの短い制限時間の中ジュエル(1/16、かなりの耐性持ち)をツモって場を盛り上げたが、賢さが足りないうえゴンズの打撃にも耐えられないなど、うまく機能せず。また鬼畜問題かよと思われたが、そんな空気のなか右弐さんが見事過ぎる単独クリア。調査時間長めだったのもあるだろうが、なるほど、トップクラスのプレイヤーならちゃんと解に至れるもんなんだなぁ。鬼畜を鬼畜と思わず果敢に挑む力強さに会場大盛り上がり。良いものが見れた。なお、出題側のガチの解にはまさかのザイル(輝く息の盾要因)が組み込まれているそうだが、さすがにそこまで至る人はいなかった。

ここまでの総合点でも右弐さんが追い上げてきて面白い展開に。

第6問

ミルドラース2撃破(調査時間10分、クリア制限時間80分)

ジャハンナから。耐性持ちの仲間モンスターがたくさん。レベルは15とか20とか。

低レベル攻略で見かけるモンスター達が勢揃い。低レベル攻略ほどのガチな装備を整える時間はないけど、Lv1でもラスボス倒すポテンシャルを持ったこいつらをうまく使いこなして頑張ってねという趣旨の問題。

低レベル攻略やってるくねおさん、PONさんが強そうと思い、くねおさんに絞って集中的に観戦してみた。予想があたり、焼けつく息が3人にヒットするなど大暴れのゲマ2をただ1人突破しミルドラース戦へ。しかし残念ながら、変身前の戦闘中にタイムアップして終了。ゲマ2戦でキアリク要因のピエールの扱いミス、ミルドラース1戦でミステルのメダパニ(悪魔神官を無力化して居座らせる)を忘れていたミス、等をうまくやっていれば第5問の右弐さんみたいな感じになっていたかもしれないだけに悔やまれるところ。

まとめ

けい坊右弐くねおPON
第1問リタイア(0p)リタイア(0p)リタイア(0p)リタイア(0p)
第2問21:08(2p)リタイア(0p)17:38(3p)17:29(4p)
第3問59:00(1p)57:05(2p)55:09(3p)52:55(4p)
第4問リタイア(0p)リタイア(0p)リタイア(0p)リタイア(0p)
第5問リタイア(0p)63:29(4p)リタイア(0p)リタイア(0p)
第6問リタイア(0p)リタイア(0p)リタイア(0p)リタイア(0p)
ポイント合計3668

全員2問ずつのクリア。このメンバーをもってしてリタイア続出の難問だらけの中、取りやすい問題をきっちりと運ゲーでとったPONさんが優勝。右弐さんは第1問の薬草ミスが痛かったか(単独クリアしてれば10ポイントで優勝)。第2問で1人正攻法にトライ、第5問単独クリア等、一番見ごたえがあったのは間違いなく右弐さん。くねおさんも第6問とってれば優勝だった。あとジュエルw。けい坊さんは、毎回問題をきれいに解くイメージだったが、今回は点を伸ばせず。あとダニーw。

感想とか

DQ5といったらこの人な右弐さん。RTAも低レベル攻略もやっているくねおさん。前回DQ5リカバリーTA大会で出題班のスーパーバイザーだったPONさん。これまで2回リカバリーTA大会に出場し、ほぼ想定模範解答での見事なプレイが印象的なけい坊さん。誰が勝ってもおかしくない、そうそうたる顔ぶれ。……そんな凄腕プレイヤーをもってしてヘトヘトにさせる難問の数々w。この人がリカバリーTAに出場するところを見たい!という人がダントツで右弐さんだったので、見ごたえ的には大満足。

難易度はもうちょっとリタイアが少なくなるよう調整して欲しかった感じ。「ゴレムスとるのは微妙」等々、プレイ中にヒントを出してしまっていたが個人的にはどうかと思った。(プレイが誘導されてしまうので。)大変とは思うけど、後からヒント出すぐらいなら事前に問題の調整を。

問題で調整するのが難しければ、ルールで調整するのもよいかも。戦略的な一度のミスがあまりに致命的(制限時間的に詰む)なうえ、オールオアナッシングで使った時間がパーになるのが厳しすぎると思う。形式をガラっと変えて、最初に全問まとめて出題、でっかい1つの制限時間の中でどれから手をつけてもよい、途中で別の問題に行ったり戻ったりしてもよい、何問解けたか(もしくは問題ごとに設定したポイントの合計)を競うとかの形式だと、ミスを取り返す余地ができて面白いかもしれない。でも「同時並行感」が薄れるのは見世物としては微妙だろうか……。