山櫻 やまざくら                
                                        
漢字について 
 形声 木+嬰(えい) 嬰は貝で作った首飾りの呪具。首飾りの玉のような実のなる木、ユスラウメのこと。中国古典の桜花・桜樹はユスラウメである。しかし、最近はサクラの意味で使っていて、ユスラウメには『山桜桃』を当てている。『桜』は略字。
 語源は、サクウラ(花びらの先が割れている)、サクムラ(群がって咲くから)など その他いろいろな語源説があり詳(つまび)らかではない。古来、サクラの木は木花開耶姫命(このはなさくやひめのみこと)の霊木とされた。 

材について
バラ科サクラ属サクラ亜属の落葉広葉樹   高さ25m直径1m気乾比重0.62
 辺材は淡黄色、心材は紅褐色から暗緑色まで幅が広い。材質は非常に緻密で狂いが少ない。また粘りがあり、磨(みが)くと光沢が出る。器具・建築・家具・床材などに使われる。また版木に使われる。燻煙(くんえん)材やナメコのホダギになる。成木には、ピスフレックと呼ばれる独特な濃色の斑点(はんてん)が出ることが多い。サクラ類は種類が多く、伐採時の識別が困難なため、山や里にある桜で市場に出るものは、すべてヤマザクラと呼んでいる。

その他
 樹皮はカバ細工の原料。

製作中の独り言
 50の樹の刻字展を見た人は、確かこれではなかった、と思ったはず。そう、略字体のものと本字体のものと2種類作ってある。硬い材だが緻密で彫りやすいとおもう。
一覧表Ⅱに戻る


 刻字画像

  
 立木画像1
       ヤマザクラ1

立木画像2
       ヤマザクラ2
     
立木画像3
       シダレザクラ
  
立木画像4
         オオヤマザクラ


染色画像