漆  うるし                        
      
漢字について 
 形声 水+桼 『桼(しつ)』は、漆の木から漆をとる象形。樹皮から流れ出る樹脂のさまを表した字。漆の初字。中国名も『漆樹』。中央アジア原産で、中国・朝鮮・日本で古くから広く栽培されてきた。

材について
ウルシ科ウルシ属の落葉広葉樹   高さ15m 直径0.3m気乾比重0.51
 辺材は白、心材は鮮やかな黄色で、時間がたっても色の変化が少ない。散孔材。海水につけても腐らないため、昔は漁網のウキに使われた。そのため漆材専門の業者がいた。現在は、寄せ木細工の一つとして使われるため、箱根に集積されている。また家具・建具に色を生かして使う。乾燥すると触れてもかぶれない。

その他
 幹を傷つけて漆液を採り、果皮からロウを採る。ウルシにかぶれるのは、樹液の中のウルシオールがアレルゲンとして作用するため。
 漆は90%が輸入品で、国産のうち70%が岩手県産。岩手では8~13年で直径10cmになったら漆を採り、その後木を切り倒してしまうので、大径木は少ない。

製作中の独り言
 私は、漆に触れるとかぶれます。材を購入した有賀さんの話では、乾燥した材はかぶれないということでしたので、その言葉を信用して加工しました。結果、かぶれませんでした。めでたしめでたし。色が綺麗なので、装飾材として重宝しそう。
 
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刻字画像



 立木画像1
        ヤマウルシ



染色画像